西中国山地自然史研究会 観察会
大潰山の春植物観察会

【案内文】
特に山頂部のツツジ群落が見事な大潰山の観察会です.また色々な里山植物もみることができるでしょう.急な部分もありますが,距離的には歩きやすい山です.ゆっくりと観察しながら登りましょう.
開催日時:5月9日(土) 9:30
集合場所:大佐スキー場駐車場
準備:基本セット,弁当
講師:佐久間智子
定員数:30人
主催:高原の自然館,西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
朝からお天気も良く,観察会にはもってこいの日和となりました.集合場所の大佐スキー場には18名の参加者が集まり,講師の紹介,行程の確認をして,登山道がある場所へと移動しました.今日登る大潰山は,かつて炭焼きが行われており,人の手が入っていた里山でした.現在は林の遷移が進んでいますが.里山ならではの春の植物が観察できるだろうという佐久間先生のお話から観察会は始まりました.登山口ではイヌブナが咲いており,ブナとの違いや,生息環境のお話を聞きました.なかなか見ることのない,イヌブナの小さな花がかわいらしかったです.オオタチツボスミレ,チャルメルソウ,ナツトウダイ,ギンリョウソウなど,ひとつひとつの植物をていねいに観察し,ゆっくりと登山しました.途中で,ミソサザイ,ツツドリ,ゴジュウカラの鳴き声も聞くことができました.山頂付近ではダイセンミツバツツジが見頃を迎え,キレイに咲いていました.頂上でお弁当を食べ,休憩し,記念撮影をしました.見晴らしが良く,掛頭山や臥竜山も見えました.その後,ニオイタチツボスミレの匂いを確かめたり,クマ棚を見つけたりしながら下山しました.最後のまとめで,今日観察した植物の種類を確かめると,30以上もありました.たくさんの植物を観察し,いい汗をかいた観察となりました.別の時期に登山しても楽しめそうです.[こうのやよい]

【みなさんの印象に残った物】
「鳥の鳴き声の説明がよかったです.」「樹上のヤドリギは見ているが,今日,目の高さの幹にヤドリギの発芽まもないものを見て印象にのこった.」「気持ちのいい山歩きができました」「アケボノスミレは始めて見ました」「アケボノスミレ・ダイセンミツバツツジとキシツツジの混生」「ダイセンミツバツツジの紅紫色」「ダイセンミツバツツジがもう少しだなと思いました」「ヤドリギ,スミレとを教えて頂き,帰って整理したいと思います.」「ツツジ」「スミレの種類を教えてもらったこと.木の色がいい.」「カラスシキミ」「たくさんの花を見ましたが,クマダナを始めて見ました」「クマダナと爪あと」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「3度目の大潰山山頂.ミツバツツジの花盛には出会えない.」「ミツバツツジが少し早かったようで残念」「芽,いろいろな芽があるのが楽しかったです.」「植物の特徴をいろいろな切り口から聞けてよかった」「やっぱり山を歩くのはいいですね」「暑かったですね.午後の下りが少し私にはきつかったけど,本当に楽しかったです.」「天候に恵まれ楽しく大潰山に登れてよかったです」「普段の山歩きでは見れない木や草の花,特に木の花」「暑かった」「とても楽しく勉強になりました」「ゆっくり歩いて」「植物についての詳しいお話が聞けたこと,じっくりルーペを見られたこと.動物に詳しい方が同行してくださったことがよかったです.」


イヌブナの説明から観察会はスタートした.
若葉が美しく,気持ちがよかった.ミソサザイやツツドリの鳴き声も聞こえた.

オオタチツボスミレを観察中.
ユリ科の植物ツクバネソウ.葉の様子が羽根つきの羽のようなことから名付けられたそう.

落ち葉にかくれていたギンリョウソウ.「少しだけ観察させてね」.
参加者同士の情報交換も,観察会の楽しみのひとつ.

ヤマウルシの花.赤い茎の色がひときわ目立つ.
日差しは強かったが,森の中は涼しかった.

ガマズミの仲間,オトコヨウゾメ.
大潰山の見所のひとつ,ダイセンミツバツツジ.

山頂からの眺め.お昼ご飯もここで.
山頂で恒例の記念撮影.

エゾユズリハ花が咲かせていた.雄花と雌花があるので,違いを観察した.
ニオイタチツボスミレもよく咲いていた.

たくさん花をつけていたゴヨウアケビ.
ウリハダカエデの花.