西中国山地自然史研究会 観察会
可愛川の水生生物観察会

【案内文】
千代田地区の可愛川にて,水生生物の観察会を行います.観察会の中で,国の天然記念物であるオオサンショウウオの調査も行いますので,間近に姿を見るチャンスです.川の中で活動できる服装でお越し下さい.箱めがねや網,水中めがねもあると楽しめますよ.
開催日時:8月8日(土) 13:30
集合場所:千代田中央公民館
準備:基本セット.水中メガネ,箱メガネ,網
講師:内藤順一
定員数:30人
主催:高原の自然館,西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
長かった梅雨が明け,久しぶりとなる晴天のもと,観察会が行われました.千代田中央公民館には27名の参加者が集合し,今回の講師である内藤先生より,スライドをみながらオオサンショウウオの生態のお話を聞きました.広島県には5種類のサンショウウオが生息していること,オオサンショウウオは国の特別天然記念物に指定されていること,オオサンショウウオがどんなものを食べているのかなどを写真を交えてお話してくださり,とても興味深く聞くことができました.参加者からも質問が飛びだし,現地でオオサンショウウオに会うのがさらに楽しみになりました.30分ほどお話を聞いた後,観察する場所へと移動しました.7月後半の長雨の影響でしょうか.例年よりも川は水量が多く,オオサンショウウオを観察するにはよい環境でした.気温が高いうえに日差しも強く,子どもたちはもちろん大人も川の水の冷たさが気持ちよく,ざぶざぶと川に入りました.内藤先生のあとについて川の右岸のツルヨシのしげみを探ると,次々とオオサンショウウオが出てきて,計6個体捕獲することができました.網に入れ,岸に戻って観察と個体識別のチェックをしました.子ども達はおそるおそるオオサンショウウオをのぞき込み,つぶらな目や可愛らしい手を見つめていました.参加者からは「こんなに大きいと思わなかった」「たくさんの個体を間近に見ることができて嬉しい」という声があがりました.いつまでも観察してたかったのですが,調査に必要なチェックをしたあとは,もとの場所に戻しました.オオサンショウウオの捕獲と同時に,子ども達は箱メガネや網を使って,他の生き物も捕まえていました.内藤先生に見ていただくと,ムギツクとイトモロコという魚,そしてマシジミという小さな貝だということがわかりました.可愛川の環境のお話を聞くとオオサンショウウオにとってよい生息地のように感じましたが,内藤先生の調査からは,この場所ではオオサンショウウオの産卵は確認されていないそうです.いつまでもオオサンショウウオの姿を見ることができる川であってほしいと願いながら,観察会を終了しました.(こうのやよい)

【みなさんの印象に残った物】
「オオサンショウウオとトンボ」「サンショウウオを捕獲できてうれしかったです(2)」「オオサンショウウオ(8)」「多くのオオサンショウウオが観察出来たこと(2)」「オオサンショウウオの足の裏のザラザラ」「オオサンショウウオの顔をまじかで見たこと.意外にかわいい顔をしていると思いました.」「オオサンショウウオの脱皮」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「また行きたいです」「見ることができてよかった」「思ってたよりもたくさん生息していることに驚きました」「水遊びが楽しかった」「寒かった」「楽しかった」「水量が多くておもしろかったです.3匹もオオサンショウウオが見れて良かったです.」「今日の観察会は水が多くて大きな水のオトを聞きながら,大変子供達が生き生きと遊ぶ様が良かったです」「オオサンショウウオの事がよくわかりました」「短時間でたくさん取れたのには驚きました」「暑かったけど,ゆっくり見ることができた」「水が多くて少し子供達には水遊びが大変だった」「オオサンショウウオを見れた事」「いい勉強になりました」「サンショウウオをまじかで見れてよかったです」「重くて感動しました.食べて見たかった」


子供達も興味津々でスライドを見つめる.
オオサンショウウオを探しに出発!

水かさがあるので歩くのも一苦労だった.
川で死んでいたヌートリア.

結構重たいオオサンショウウオ.
ちょっと狭そうなオオサンショウウオたち.

赤ちゃんの手のようなカワイイ足.
オオサンショウウオよりも,魚に夢中・・

入念な個体チェックを行った.
滝のような水に大人も子どもも大喜び.

ムギツクとイトモロコ.