西中国山地自然史研究会 観察会
カワシンジュガイの観察会

【案内文】
氷河期の生き残りといわれるカワシンジュガイの観察会です.内藤先生が調査・研究してこられた経緯や,カワシンジュガイの生活史などのお話を聞いた後,実際生息している川に入り,生息環境や様子を観察します.川に入ることのできる服装でお越し下さい.
開催日時:8月9日(日) 9:30
集合場所:芸北文化ホール
準備:基本セット,水中メガネ,箱メガネ,網
講師:内藤順一
定員数:30人
主催:高原の自然館,西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
前日の観察会でオオサンショウウオに人気を取られたのか,参加者8名での観察会となりました.雲行きの怪しい日でしたが,大雨にならないかぎり観察会は決行です.前日に続き,講師は内藤先生です.現地に出発する前に,芸北文化ホールでカワシンジュガイの生態や生息環境についてのお話を聞きました.カワシンジュガイの幼生は,アブラボテに寄生して子孫を増やすと考えられていましたが,カワシンジュガイの個体が確認されている北海道にアブラボテは生息していませんでした.そこで研究を進めていくと,アマゴに寄生することがわかったそうで,その研究過程が面白いと感じました.アマゴの採取によるカワシンジュガイの寄生先の減少や, シンジュガイ人気による過剰な採取という人間の都合による理由から,絶滅の危機になっているというお話を聞き,保護の重要性が分かりました.先生からのお話が終わると,車で現地へ移動しました.きたひろネットの方が取材される中,観察もはじまりましたが,みなさんカメラを気にせずジャブジャブと川に入り,カワシンジュガイを探しはじめました.数個のカワシンジュガイを見つけましたが,死骸も多くありました.なんとか長生きしてほしいものです.泳いでいる魚の中にアブラボテがいました.二枚貝に卵を生み付ける彼らも,カワシンジュガイなどの二枚貝の減少により絶滅の危機にあります.
一つのいきものを守る事は,他のいきものを生かす事にも繋がることを実感しました.一度手を加えてしまった環境は難しく,これからも今の環境を維持するのは難しいのかもしれません.芸北に生息するカワシンジュガイを守っていくためにも,多くの人達に現状を知ってもらいたいと思います.(しんぽゆうすけ)

【みなさんの印象に残った物】
「実物」「カワシンジュガイの実物をみれたこと」「太古の生物に感動しました」「カワシンジュガイ」「100年も生きているのはびっくり.アマゴとの関係を聞いてびっくり」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「内藤先生の長い取り組みの話が聞けて良かった」「魚類と貝類の片利共生等,カワシンジュガイだけではなく,河川の生態系について勉強でき,ためになりました」「雨天で子供が少なく寂しかった」「自然はすばらしい」


出発前に事前学習をした.
新種のコガタカワシンジュガイ.

目的地へ到着した.
汚れを気にせず探索開始!

「何処にいるかな〜?」
多数のアブラボテが潜んでいた.

カワシンジュガイを発見. 「大きい!!」