西中国山地自然史研究会 観察会
霧ヶ谷の観察会 秋のいきもの観察会

【案内文】
自然再生事業の工事が進む霧ヶ谷湿原では,夏の観察会で湿性の植物・昆虫が確認されました.秋の霧ヶ谷湿原ではどんないきものたちの姿が見られるでしょうか.湿原を間近で見ることのできるチャンスです.長靴をはいてお越しください.
開催日時:9月12日(土) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:基本セット
講師:岩見潤治・和田秀次
定員数:30人
主催:高原の自然館,西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
早朝から激しい雨が降る中,17名の参加者が自然館に集合しました.夏の観察会に続き,植物担当の和田先生,昆虫の岩見先生が講師です.自然館で湿原の概要についてお話頂いた後,霧ヶ谷湿原へ移動し,今年度の工事予定地で木道をつけるルートを歩きました.雨が降っているため,歩きにくい場所もありましたが,目に入ってくる植物や昆虫の説明を聞いていると,時間が経つのがとても早く感じました.ツリフネソウの蜜を吸うマルハナバチと花のつくりとの関係や,アケボノソウの蜜線が花びらにあることなど,植物と昆虫の密接な関係をユーモアを交えてのお話で,楽しみながら観察することができました.葉の裏でトンボが休んでいたり,しずくが付いたカンボクの実を眺めたりと,雨の中ならではの発見があった観察会となりました.夏と秋の観察会で,霧ヶ谷湿原の中を歩いてみると,湿地生の植物や動物が増えていることを感じることができました.来年には観察路が完成する予定なので,霧ヶ谷湿原はもっと身近な場所になることと思います.帰り道に見たオオヘリカメムシの匂いは,思った以上にいい匂いで驚きました.[こうのやよい]

【みなさんの印象に残った物】
「雨です」「はじめて見た花」「アケボノソウが沢山きれいに咲いていてうれしかった」「湿原の美しい花が見れたこと」「寒かったです」「雨の中の湿原 初めて歩いたこと」「人工的に湿原を復元しようとしている事を初めて知った事」「ミゾソバが白とピンクと一緒に生えてるのが不思議」「良い香りのするカメムシ(2)」「アブラガヤ,マアザミが多く咲いていた場所があった.」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「虫があまり見られなくて残念」「雨にもかかわらず夢中になる」「雨の中,寒かったけど楽しい一時をすごすことが出来て良かったです」「時期によって,植物が変わっていくとのことなので定期的に観察会を実施して下さい.」「色々見て勉強になりました.」「晴れた日も歩いてみたいと思いました.」「寒い中でしたが熱心に説明されている先生方がよかったです」「お天気ならよかったのに」「前回の,夏の湿原の観察とは,植物が違い季節により,変わっていく湿原を観察できたこと.だが,雨のため,動物や虫を観察できなかった.」「夏とはちがう道順で異なる姿の湿原を見られました.」


最初に自然館の中で,自然再生事業についての説明があった.
霧ヶ谷湿原は工事中のため,ヘルメットを着用した.

雨の中イザ出発!
雨で増水した水路.ごうごうと音をたてていた.

キセルアザミの名前の由来「煙管」を実演しながら説明する和田先生.
ネナシカズラ!

強めの雨の中,活動している虫もわずかながら観察できた.
イナゴにのど仏があることを初めて知った.

サクラバハンノキの幼木.
ヘラオオバコの葉は,本当にへらのようだ.

ウナギをつかめるトゲがある、アキノウナギツカミ.みんなでトゲをさわってみた.
ツリフネソウの花の中を観察する.雨宿りをしている虫もいた.

真っ赤な実を多数つけたカンボク.雨の中で映える赤色.
ミヤコグサの花.図鑑で調べると「脈根草」が名前の由来だった.

虫がとまると花粉がつくのか,ハギの花をさわって実験してみる.
青リンゴのように甘酸っぱい香りがしたオオヘリカメムシ.