西中国山地自然史研究会 観察会
霧ヶ谷湿原の植生モニタリング 秋

【案内文】
夏に続き,霧ヶ谷湿原の植生を調査します.再生事業によってどのように植生が変化しているのかを調べます.観察会とはまた違った視点で植物をみることができますよ.初めての方もお気軽にお越し下さい.
開催日時:9月13日(日) 9:30
集合場所:高原の自然館
講師:小宮啓吾・白川勝信・佐久間智子
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
全日の観察会では「寒い寒い」という声も聞かれましたが,調査の日はお日様が覗きました.今回の調査には,初めての人3人を含む7人が集まりました.まずは高原の自然館に集合し,再生事業の経過や,西中国山地自然史研究会の関わり,これまでの調査で分かったことなどを確認しました.基礎知識を共有したところで,霧ヶ谷に出発しました.
今回は,広島県が実施する遊歩道設置工事の最中なので,全員がヘルメットを被り,3斑に別れて調査地に向かいます.1m×1mの中に,どんな植物がどのくらい生育しているのか,見落としの無いように植生を調査していきました.遊歩道沿いに点々と設置された調査地には,夏の調査の際にダンポールを立てているので,簡単に見つかります.1区画の調査が終わった班は前に進み,次の調査地を調べる,という風に,追い越し・追い越されながら進んでいきました.調査地の中には,湿原生の植物が多いところもあれば,外来種ばかりのところ,種数が極端に少ないところなど,場所によって環境も植生も違うことが実感できました.お昼頃には調査を終え,調査結果の概要を報告しあいました.やはり,場所によって種組成に大きく違いがあり,外来種もたくさん見られるようでした.今後,アメリカセンダングサをはじめとする水田雑草が繁茂する場所ができるかもしれません.モニタリングを続けることが大事だと感じました.ともあれ,調査地を歩く間には,アケボノソウの群生や,たくさんのオオコオイムシも見ることができました.少しずつではありますが,ノイバラの薮だった場所が,湿原の性質を取り戻していると実感できました.[しらかわかつのぶ]

【みなさんの印象に残った物】
「アブラガヤ,マアザミが多く咲いていた場所があった.」「アケボノソウ」「湿地化したら多くの花が咲き出した」「同じように見えてもそれぞれの種がまじっている」「始めて見る物に感動した」「思ったより沢山の種類があるのにびっくりした.」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「湿った場所がだんだん増えていくのが楽しいですね」「種類の多い所,少ないところがあり,環境によって違いが出ていました.」「気をつけて見ると自然の多様性を知ることが出来た」「植物のたくましい事」


はじめに,高原の自然館で調査方法やこれまでの経緯を確認.
再生が進む霧ヶ谷.

ヘルメットを被って,いざ出発.
河川敷のような場所.湿地の植物は少ないが,種数は多い.

湿原が回復している場所.マアザミ,アブラガヤなどが生育していた.
1班の調査風景.

2班の調査風景.そして3班の様子は写していませんでした...
この日は中国新聞からも取材に来ていただきました.