西中国山地自然史研究会 観察会
紅葉と冬芽の観察会

【案内文】
紅葉の時期を過ぎますが,冬仕度を始めた植物の観察会を行います.花がない時期だからこその発見が楽しみな観察会です.じっくりと観察するために,ルーペなどがあるとより楽しめます.防寒対策をしてお越し下さい.
開催日時:11月14日(土) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:基本セット
講師:斎藤隆登
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
前日から雨が降り,気温も雨もあがらないいまま観察会の日を迎えました.高原の自然館に11名の参加者が集合し,今回の講師である斎藤先生にお話を聞くことから始まりました.先生自作の資料を見ながら,花や葉がなくても,冬芽で木を見分けることができたり,木によって冬芽の特長が違うことなどを,詳しく教えていただきました.その後,車で掛頭山に移動し,車道沿いの木を観察しました.ミズナラ,リョウブ,ノリウツギなど全部で15種類の樹木を見ながら歩き,冬芽という観点から木の生長の過程や,植物の生き残りのための戦略のお話も聞きました.参加者からも,植物用語ついての質問などもあり,冷たい雨の中でしたが,熱気ある時間を過ごすことができました.「この木がどういう情報を持っているかということを想像するのが,冬芽を知る楽しさですよ」という斎藤先生のお話が印象的でした.それぞれの木に冬芽があり,それぞれに越冬の仕方があるということがわかり大変充実した観察会となりました.[こうのやよい]

【みなさんの印象に残った物】
「冬芽でもそれぞれ枝との関連,役目があるんだと感動しました」「マユミ,カンボクの赤い実」「リョウブの冬芽と枝の伸びぐあいがよくわかりました」「手作りの冬芽の資料」「芽の形に基本型がある事が判った事です」「イヌブナとブナ」「冬芽を見るとき,形だけでなく芽がついている枝をパターン化するとよいこと.どの樹木の芽も同じものが一つとしてなく各々ちがっていること」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「雨の中でも解りやすい説明で良かった」「晩秋の植物を新しい切り口で見ることができ,良かった」「雨が降って沢山の木の観察ができなかったのが残念ですが,わかりやすく説明していただき楽しく学習できました」「天候が悪かったので残念.機会があればまた参加したい」「庭木の剪定にも役立てたい」「枝の出方が変わることがおもしろかった」「冬芽も生きるために工夫していることに感心しました.今まで冬芽はわからないと,かたづけていましたが,とても楽しくこれからよく観察してみたいと思いました.」


斎藤先生が用意してくださったイヌブナとブナの枝.
肉眼で見えない細部はルーペで観察.

斎藤先生が顕微鏡を使って観察し,作成した資料を見ながらイヌブナとブナの違いの解説をじっくりと聞く.
冬芽の図鑑を紹介していただいた.これを見ると植物用語もよくわかる.

参加者からもどんどん質問が出た.
この日もきたひろネットの取材クルーが参加.

雨の中でも熱心にお話される斎藤先生.
枝の出方で木の名前がわかる.これはリョウブ.

アカマツも,場所によって枝の張り方が違っていると教えていただく.