西中国山地自然史研究会 観察会
八幡高原の野鳥観察会

【案内文】
八幡高原には様々な冬鳥がやってきます.冬鳥はどこからやってきて,どんな風に冬を過ごすのでしょうか.エサとなる植物との関係も深そうです.湿地・草地で観察する予定です.冷え込みますので寒さ対策をしっかりとお願いします.
開催日時:11月15日(日) 8:00
集合場所:高原の自然館
準備:基本セット,双眼鏡
講師:上野吉雄
定員数:30人
主催:高原の自然館,西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
冬の雲が空を覆い,気温も低い中での観察になりました.講師を含め,総勢5人という少人数で,自然館前・霧ヶ谷・大歳神社・尾崎谷・三島・滝ノ平・千町原と,テンポ良く回りました.自然館の前では,アトリの群れとツグミの群れを比べながら,ツグミの方がちょっとぷっくりしていること,群をつくることで天敵に襲われた時のリスクを下げられること,などを聞きました.湿原再生が進んでいる霧ヶ谷では,セグロセキレイが3羽,追いかけっこをしており,めずらしく木の枝に止まる姿も見られました.少し歩いていると,コガモが4羽ほど飛び立っていきました.ここではオシドリやアオシギなども確認されており,再生事業の影響がすでに現れているそうです.大歳神社では,目当てのシラガホオジロがいたそうですが,少し遠かったので,「アトリよりすこし大きいかなぁ」というくらいしか分かりませんでした.尾崎谷に移動すると,コガモが100羽以上の群れを作っていましたが,他の鳥は見られませんでした.それでも,堰堤の影から見ていると,近くの水面までやってきて,ゆっくり滑っていく姿を観察できました.羽の鮮やかな緑色も,しっかり見ることができました.三島郷ではカシラダカを間近に見ることができました.双眼鏡で見てみると,なかなかきれいな小鳥です.滝ノ平では期待した猛禽類は観察できませんでしたが,千町原に戻ると,ハイタカが扇谷の上あたりを飛んでいました.レンジャクが居ないなど,全体的には鳥が少なかった印象ですが,声を聞いたものも含めて数え上げると,19種類もの鳥を観察していました.アトリやカシラダカなどは,繁殖地のロシアで環境悪化が進んでいるために,数が激減したそうです.逆に,日本の環境が渡り鳥の数に影響することはないのだろうか,と少し考えさせられた観察会でした.これからも環境を整えながら,観察を続けていきたいものです.[しらかわかつのぶ]

【みなさんの印象に残った物】
「冬鳥の多さ」「鳥が少なかった.とくに八幡の田んぼ」


高原の自然館前に集合.
枝に止まったツグミの群れを観察中.

これはアトリの群れ.
八幡湿原自然再生事業が進む霧ヶ谷湿原.

ここではセグロセキレイやコガモを確認.
木の枝に止まるセグロセキレイ.

シラガホオジロを観察.社叢林の中に,アトリもやってきた.
スコープで見ても,良く分かりません.

図鑑を手に,説明する上野先生.
尾崎沼にやってきた.

堰堤に隠れてカモを観察中.
コガモが近くにやってきた.羽の青色が特徴.

振り返ると八幡湿原は冬模様.