西中国山地自然史研究会 観察会
雪原のトレッキング

【案内文】
雪の草原を歩きましょう.いつもより高いところを歩くので,視点が変わっておもしろい発見があるかもしれません.寒くても冬の八幡高原を楽しめるトレッキングです.
開催日時:2月21日(日) 10:00
集合場所:高原の自然館
準備:基本セット,かんじき(レンタルあり),スノーシュー
講師:上野吉雄
定員数:30人
主催:高原の自然館,西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
日焼けしそうなほど良く晴れた中,32名の参加者が高原の自然館へ集合しました.講師は前回に続いて上野先生です.1月の観察会では千町原方面を歩いたので,今回は自然再生事業が行われている霧ヶ谷湿原方面に行くことになり,スキー板を履いた子供達を先頭に,賑やかな出発となりました.前日まで雪が降っていたので,アニマルトラッキングには最高のコンディションでしたで,多くの足跡が見つかりました.前回の観察会で多く見られたウサギの足跡はあまり見つかりませんでしたが,テンの足跡を見つけることができ,テンが活発に動いている姿が思い浮かびました.同じように見えるフンでも別の動物のフンであったり,別の物に見えても同じ動物であったりと,動物の食事や体調により違っている事がわかりました.昨年工事が行われた霧ヶ谷湿原では工事が終わっており,新たに設置された木道を歩いて行きました.しばらく進んでいくと鳥の羽が沢山落ちており,上野先生に調べてもらうと,ツグミのようでした.弱っているところをテンに捕まってしまったらしく,羽以外は綺麗に食べられていました.自然館に戻る途中,大きなノウサギが木の陰で休憩していたようですが,すぐに逃げてしました.ノウサギが休んでいた木の根元を見てみると,そこから大きな足跡が続いており肉球の形がよくわかりました.日差しが強く,戻るときは汗をかくほどでしたが,雲一つない青空,真っ白な雪景色を歩くのは気持ちがよく,とても良いトレッキングとなりました.(しんぽゆうすけ)

【みなさんの印象に残った物】
「ツグミがテンに喰われていた.飛ぶ鳥が何故?」「いろんな動物の足跡」「テンにおそわれたツグミ」「色の違うツグミ」「つぐみがテンに食べられていたところ」「丘の上の雪や空です」「逃げていく野ウサギを見られました」「とび虫という虫が雪の上にいたこと」「テンがツグミを食べた跡」「動物の冬の生き方」「雪面にけなげに生きる“トビムシ”」を見たこと」「雪の楽しさ」「ウサギを見れなかったがツグミを観察できました.」「雪の白と青い空.千町原の風景」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「天気が良く野ウサギも見れて良かった」「楽しかったです(2)」「楽しかったです」「青空と雪と動物と植物を楽しめられた.」「とってもいい天気で楽しかったです」「ツグミが食べられた跡やクマの爪あとなどもりだくさんでした.ウサギが見れなかったのは残念」「天気がよくて暑いくらいでしたが,気持ちよく観察できました.」「初めて歩いて全て初めてのことで感動でした.天気もよくて!」「勉強になりました.」「子供達の参加がとても良いです」「誰の足跡のない所を歩くのはやはり楽しい物でした」「自然の気持ちよさを体感しました.ゆっくりのんびりあったかく」「天気が良く,観察がしやすく,ツグミを観察できました.」「いい天気で元気になりました.」


高原の自然館へ集合した参加者たち.「やっぱり八幡は雪が多いねぇ」との声があがった.
自然館の裏の丘に上がる.クロカンスキー,かんじき,スノーシューと装備はさまざま.

子どもたちはクロカンスキーでさっと移動.早い!
ホオジロがさえずっていたので双眼鏡で姿を探す.

ウサギがハギを食べた痕を観察する.上手に木の皮だけを食べていた.
サロンパス臭がするというミズメの匂いをかぐ.「ちょっとくさいー」

工事が完了した霧ヶ谷湿原の遊歩道へと入っていく.
テンがツグミを食べた跡があり、子どもたちはびっくりした顔をしていた.

ツグミのエサとなるツルウメモドキも所々にあった.
霧ヶ谷湿原の木道をゆく.

振り返ると霧ヶ谷湿原が広がり,奧には苅尾山が見えた.
雪の上をよーくみると,トビムシがたくさんいた.小さすぎてよく見えないので,ルーペで観察.

ウサギが飛びだしてきた木の根元.少し隙間があり,そこで休んでいたらしい.
鮮やかな黄緑色がよく目立っていたヤドリギ.実は鳥たちに食べ尽くされていた.