【報告文】
1週間前の天気予報では雨の予報でしたが,幸運にも予報が外れ集合時は快晴となりました.今回で4回目となった大潰山の春植物観察会,参加者は28名です.ダイセンミツバツツジの満開に逢うのはむずかしく,今回も講師の佐久間先生による里山の植物全般の観察会となりました.集合場所の大佐スキー場では,もう一人の講師である暮町先生によるタンポポ類の説明がありました.続いて,白川学芸員より,タンポポ調査のリーフレットが配布され,その主旨や参加方法の説明もありました.駐車場脇には,セイヨウタンポポと日本産のタンポポが自生しており,区別点や種子の採集方法について説明を受けながら,実際に参加者で比較し観察をしました.その後車で水越林道の登山口(標高710m)に移動しました.佐久間先生から「大潰山のスミレ」の資料が配布され,スミレの仲間には5種が基本型であることや,開放花と閉鎖花の繁殖戦略の説明がありました.参加者より,「この資料はわかりやすい」との声が多くあがりました.登山口から800m付近までは谷筋を進み,渓流ではオオルリの姿を見たり,鳴き声を聞くことができました.また,伏流水の噴出口ではタゴガエルの抱接を観察することができました.産卵の様子を見ることができたのは,貴重な機会でした.大潰山山頂(標高997.5m)で,昼食をとり,恒例の記念写真を撮りました.ここではガマズミの仲間やカスミザクラなどを見ることができました.北西登山道を下山し,鞍部(960m)付近では,マムシグサ・アケボノスミレ・コタチツボスミレなどを観察しました.今回の観察会で印象に残ったことは,佐久間先生からの「コナラとミズナラの違い」の説明です.見分けかたのひとつに,コナラは標高の低いところ,ミズナラは標高の高いところに分布するということがあるそうです.しかし,展葉の時期は,標高の高いところにあるミズナラが先で,コナラが後だそうです.この違いについて,とても興味を持ちました.山頂付近では蕾であったダンセンミツバツツジも大潰山を下るに従って,北西部の林床では満開で,ツツジも満喫することができました.今回確認できたのは,ツツジは4種類,スミレは10種類でした.最後に,内藤研究員が駐車場付近の湿地(745m)で採集した,カスミサンショウウオの越冬幼生や今春孵化した幼生の説明をしました.来春の成体確認が課題となりました.[ないとうじゅんいち]
【みなさんの印象に残った物】
「ダイセンミツバツツジを知った」「全員良く勉強しておられた」「すみれの多さ」「ツアー登山のマナーの悪さ」「すみれや木々の多様なこと」「スミレにも沢山の種類がある」「スミレの名前を覚えられた」「ダイセンミツバツツジの群生」「アケボノスミレ・カスミサンショウウオ幼体」「ダイセンミツバツツジがとてもきれい(9)」「アケボノスミレがはじめて見たので印象的でした.」「スミレの説明」「メギ・カラスシキミ」「自然の良さ 」「いろいろなスミレの可愛い花とダイセンミツバツツジの濃紅紫色に会えたこと」「新緑のやさしさ」「みなさん色々なことをご存知で先生だけでなく色々勉強になった」「下山時のダイセンミツバツツジがきれいでした」
【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「良い山の観察会でした」「何種類かおぼえたので次のステップにしたい」「いい勉強をさせていただきました.10の内2〜3は覚えました」「植物の名が分かって良かった」「植物の名前の同定が中心になっていて もう少しその植物のおもしろい話を教えてもらいたかった」「大変いいお天気の中の登山は楽しく良かったです」「新緑が気持ち良かった」「天気もよく心がいやされました」「天候も良く花が咲いて,青葉もでて良かった」「初めて参加させていただきました.楽しく学ぶ事が出来てとてもうれしかったです」「ツツジ色良し.山頂部は株内でも咲いているのもつぼみもあり一度に咲かないんですね」「スミレの見分け方.だいぶマスターできました」「天候にも恵まれ良かった.山の緑の色が1本1本皆ちがうのが印象的だった」「植物の生態を教えていただき一つでも多く覚えたいと思います.機会がありましたら又参加させていただきたいと思います」「昨年も来ましたが,今回また新しいことを知ることができ楽しかったです」「山頂での山なみの美しさにひかれました」「ゆっくり花や木のしくみ 比較を知りながら歩けた事」「ゆっくり楽しくよく観察することができた.」「木の特徴をたくさん覚えました」
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