西中国山地自然史研究会 観察会
こども観察会〜植物標本をつくろう〜

【案内文】
夏休みならではの小学生限定観察会です.今回は自然館の周辺で植物採集を行った後,山麓庵で植物標本づくりを行います.植物の名前はもちろん,標本をつくることによって植物の知識が深まる機会です.夏休みの自然体験のひとつにおすすめです.ぜひ親子でお申し込みください.
開催日時:7月25日(日) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:基本セット
講師:佐久間智子
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
「夏休み企画」ということで,子ども限定の標本作り教室を開催しました.講師の佐久間先生は,普段から,お仕事でも自分の調査でも標本を作っている専門家です.今回は北広島町内外から6組9人の子どもさんと保護者の方たちが参加されました.
はじめに,山麓庵で植物標本についての説明を聞きました.標本を作る目的や,どのように活用されるのかなど,実際に携わっている佐久間先生の話は,とても興味深いものでした.特に「標本にすれば100年でも保存できる」ということに,子ども達もびっくりしていたようです.実物の植物標本も見せて頂き,花や種が付いている方が良いこと,葉の裏側も見えるように工夫することなどを説明していただきました.
一通りの説明を聞いたら,いよいよ植物体の採取です.草本は根から掘り取ること,樹木は適当な大きさで枝を切り取ることなど,実演を見せてもらった後は,親子で力を合わせて標本を集めました.一人20種が目標です.大きな草本は腕の長さで折れば新聞に収まること,よけいな木の枝を切り落とす時には,枝の付き方が分かるように少し残して切り落とすことなど,ちょっとした工夫も守りながら採取しました.
採取ができたら,もう一度山麓庵に戻って,いよいよ標本を挟んでいきます.ただ挟むのではなく,新聞紙の破り方,置くときの新聞紙の向き,葉の広げ方など,細かい点にも注意しながら進めていきます.保護者の方に手伝ってもらいながら,みんな頑張っていました.大きな草がとくにたいへんそうでした.標本が出来上がったら,挟んだ標本の管理や台紙への張り方について説明があり,最後に先生から全員にラベル用紙が配られました.このラベル用紙は,先生が実際に使っているもので,参加者からは「カッコイイ」という声も上がっていました.それぞれの家で,きっと良い標本が出来上がったことでしょう.(しらかわかつのぶ)

【みなさんの印象に残った物】
「身近にたくさんの植物がある事」「植物を持って標本を作ったこと」「100年以上も保存できる方法を知れたこと」「手近な材料で標本作成ができること」「100年残るということ.専門家になるために大切だということ.」「植物標本の意義がよくわかりました.」「おもしろい名前の植物を見られてとてもよかったです.」「植物が標本にすると100年ももつ事にびっくりした.」「標本にする植物を取っていた時」「しょくぶつ」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「楽しかった」「めずらしい植物があったら標本にしてみんなにみせてあげたいです」「わかりやすく教えていただいて面白かったです」「何も準備せずに参加してごめんなさい!」「楽しかったです.家の近くでもやってみようと思います」「とても楽しく勉強になりました.植物に興味がわきました.」「いろいろおしえてくださりありがとうございました.」「いろんな植物を見れてうれしかったです.」「日ごろ生活している場所にたくさんの種類の植物が生息している事におどろいた.」「またずっと残しておきたい.」


山麓庵で説明をする佐久間先生.
実物の標本を持ってきてくださった.

初めて見る植物標本に,みんな興味津々.
並べると,植物標本はやっぱり美しい.

講義を受けたら,いよいよ植物採取.
採取のしかたをしっかり聞く.

草本は根から掘り取る.
長い標本は腕の長さで折る.

子どもの腕はまだ短いので,お母さんの腕を拝借.
標本が集まったら,もう一度山麓庵へ.

新聞を破ることから開始.
説明通りにできるかな...

半分にした新聞紙に挟んでいく.
大物は,みんなで力を合わせて.

完成したら,ダンボールで挟んで縛ってできあがり.