西中国山地自然史研究会 観察会
可愛川の水生生物観察会

【案内文】
千代田地区の可愛川で,川の中にすむいきものの観察会をします.オオサンショウウオをはじめ,魚や貝を実際に観察しながら,先生より名前や生態の説明を聞くことができます.最初にスライドをみながらの講義があります.
開催日時:8月8日(日) 13:30
集合場所:千代田中央公民館
準備:基本セット.水中メガネ,箱メガネ,網
講師:内藤順一
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
夏休み中の観察会とあって,参加者30人と大人数での開催となりました.まずは千代田公民館で講義からスタートです.今回の講師,内藤先生より“オオサンショウウオについて”という資料をいただき,プロジェクターで映し出される映像を見ながら,日本にはどんな両生類がいるのか,中国地方に生息するサンショウウオの環境,オオサンショウウオの生態などを先生の経験を交えてお話いただきました.オオサンショウウオがどのようなものを食べているかという調査の結果を写真で見せていただきましたが,アユやウグイなどの魚類はもちろんのこと,ガムシやツチガエル,スジエビやアオダイショウ,カワガラスの羽,丸ごと一株の白菜まで出てきたと聞き,オオサンショウウオの貪欲性が大変よく分かりました.
1時間ほどの講義を終え,現地の可愛川の上官井堰(じょうかんいぜき)へ移動しました.天気が良く,川の水も気持ちがいいので参加者はざぶざぶと川へ入ります.水生生物の観察会ということで,子ども達は魚を捕まえ「これは何の魚?」と先生に質問を重ねていました.一方大人の参加者は両川岸のヨシの茂みをのぞき込み,オオサンショウウオを探します.しばらくすると見つかったようで.調査のために次々と浅瀬へ運ばれて来ました.大きいのも小さいのもいます.内藤先生がマーカーを使い,個体ごとのチェックを行います.その結果,今回見つけた13匹のうち,7匹は新しく見つかった個体ということがわかりました.オオサンショウウオをよく見ると,前足の指の数は4本で,後ろ足は5本です.指の形も水中で立っていられるように少し曲がり,支えられる形になっていることを新たに知りました.こうやってオオサンショウウオを詳しく観察できることは,オオサンショウウオが生息できる今の川の環境のおかげです.とても貴重な経験をしたことを嬉しく思い,夏の思い出がまた増えた観察会となりました.(こうのやよい)

【みなさんの印象に残った物】
「魚やオオサンショウウオが見れたこと」「オオサンショウウオの数の多さ(4)」「サンショウウウオをつかまえた」「オオサンショウウオをはじめて見ました」「沢山のオオサンショウウオに出会えた」「オオサンショウウオが大きかった」「オオサンショウウオの手がかわいい」「すごい物を見たとカンゲキです」「3億3千万年前の生物を50万年位人類が同居している地球のフシギ」「1つの穴にたくさんおったのを見たこと」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「とても楽しかったです(2)」「サンショウウオうじゃうじゃ」「子供達が大変楽しそうで良かったです」「コンクリートに囲まれた川のこんなに多くの天然記念物がいることにおどろきました」「目がかわいい」「童心にかえって楽しめました」 「環境を考えるきっかけになりました」「野生のオオサンショウウオいるものだなあと」「ナマズを逃がしてくやしい.また参加したいです.普段は見えないけれど川の中には本当にたくさんの生物がいて、楽しかったです」「1メートル位のやつとかくとうしたこと」


内藤先生による講義の様子.
調査に使うマーカーやチップをみせていただく.

晴れていて気持ちのいい観察会日和.
早速観察モード.準備はいいかーい!?

内藤先生もオオサンショウウオ探しに向かう.
最初の一匹が到着.わりと小型の方かな?

ヨシのしげみの下を探す大人達.
オオサンショウウオと自分の手を比べると・・「指の数がおんなじだぁ」

「このあたりにいそう」とのぞきこむ内藤先生と参加者.
なかなか見ることのできないチャンスなのでじっと観察.

マーカーを使い,個体のチェックをする内藤先生.
うごきまわるオオサンショウウオ.けっこう素早い動き.

これは一番小さい個体だった.
もぐって魚を探すのが楽しい!

調査後,オオサンショウウオをもとにいた場所に連れて行く.
最後のまとめをする内藤先生.

ユーモラスな顔つきのヨシノボリ.