【報告文】
猛暑のニュースが続く中,すでに暑さとは無縁の八幡高原に22名の参加者が集いました.講師は夏の観察会に続き,和田先生と岩見先生です.高原の自然館前で,注意事項を確認した後,歩いて出発しました.湿原にたどりつくまでにも,満開のマツムシソウやそこにやってくる昆虫,草原に休むアカトンボなど,観察対象は盛りだくさんです.霧ヶ谷湿原の手前にある水口谷湿原では,ゴマナ,タンナトリカブトなど,秋の花が咲いています.ヨシの茎で休息するシュレーゲルアオガエルも見られました. 水口谷を抜けて霧ヶ谷の再生事業地にたどり着くと,カラコギカエデのトンネルが迎えてくれます.プロペラ状の実を付けていますが,少し数が少ないようです.足下はピンクのミゾソバと青いツユクサが彩ります.そのトンネルを抜けると,木道の始まりです.遠目には夏に比べて色褪せたように見える霧ヶ谷ですが,ゴマナやオタカラコウが点々と咲いています.最初のパネルでは,「導水路を使って水を行き渡らせる」という,再生事業の方法について説明していただきました.パネルのそば,湿原の中央を流れる河川を岩見先生がひとすくいすると,ムカシトンボのヤゴやサワガニなど,小さな生物が色々と入っています.細い木道を進んでいくと,アキアカネ,ノシメトンボ,ミヤマアカネなど,アカトンボの仲間が次々に見られます.再生した水路にはタカハヤが泳ぎ,フトヒルムシロが葉を広げていました.ぐるりと一周し,道路沿いのパネルのところでは,霧ヶ谷の変遷と再生の全体像,実験地について説明していただき,復路をたどりました.お昼過ぎまでの観察会でしたが,動物・植物ともに色々なものを観察することができ,また,湿原の再生も実感できる観察会でした.[しらかわかつのぶ]
【みなさんの印象に残った物】
「いろいろな生き物が関係を持って生息していること.特に動くもの(昆虫)は面白いですね.」「水路に昆虫が住み始めた事.」「湿原のちがいがよくわかりました.(再生部分と元の部分)」「カヤネズミの巣を見たこと.」「事業の内容や動物の名前の由来」「ネズミの巣を初めて見ました.」「昨年も観察会に参加しましたが,今年は植生が変化しており,毎年楽しめる観察会であると感じました.来年も参加したいです.」「オオヘリカメムシの美臭」「湿地をすくって水生昆虫を観察したこと」「自然石の水路」「昆虫の話」「オオヘリカメムシのにおい」「マルハバチの幼虫」「ミヤマアカネ」
【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「気候もちょうど良く,ゆっくり歩けたので楽しく活動できました.お疲れさまでした.」「木道が完成して自然の観察が常に出来るようになって良かった.」「とても勉強になりました.」「たのしかった」「楽しい雰囲気でよかった.」「楽しかったです.」「初めて来てみて,大変勉強になった.」「植物だけでなく,昆虫のことも理解することが大切だと思いました.」「気持ちのよい時間でした.ありがとうございました.」「久しぶりの観察会,忘れていた植物の名前を思い出し楽しい一日でした.」「楽しい時間でした.」「涼しく秋風のにおいを感じた.」「じっくり湿原を観察できてよかったです.」「時間がすぎるのが早かった.仲間と歩くと楽しい.」
|