西中国山地自然史研究会 湿原再生プロジェクト
実験地の設置作業

【案内文】
開催日時:4月18日(日) 10:00
集合場所:高原の自然館
定員数:30名人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北町民文化ホール,広島県

【報告文】
2004年度の活動は湿原再生プロジェクトからはじまりました.失われた湿原生態系を再生するために私たちが始めた活動も,今年で3年目になり,昨年度からは広島県の「臥竜山麓自然再生事業」として発展的に拡大しました.これまでは主に現状を記録する調査を行ってきましたが,今年度は「実際に施行を行って湿原を復元することは可能なのか?」ということを探るために,実験地を設置し,追跡調査を行っていきます.
湿原の成立には水が必要です.地面から水がわき出すような山裾や谷底では自然の湿原ができますが,このような環境をつくり出すには非常に大きな労力が必要となりますし,確実にそのような環境がつくれるのかどうかという点において,多くの不確定な要素があります.一方,湿原ができるのは湧水のある場所だけではなく,流れてきた水が溜まるような場所にも見られます.そこで,今回は棚田のように水をたたえた場所を創出することを試みます.
今回は,その実験地を設置するという重要な作業を行いました.土木的な作業を伴うので,事前にプロの方(地元の藤原さん.かりお茶屋のご主人でもあります)に相談に乗って頂きました.現地を見ながら協議した結果,牧場造成時に造られた水路を決壊させて,斜面全体に水をまわす方法が良いのではないか,ということになりました.藤原さんには水路を決壊させるために重機を使った施工もしていただきました.この場を借りてお礼申しあげます.
さて,いよいよ当日.当初の申し込みよりも多くの方が集まりました.サクラやコブシが咲き,快晴の山歩きにはもってこいの日でしたが,山歩きではなく,自然再生の作業を選ぶ人がこれだけいることを頼もしく思いました.一日心地よい汗を流して小さな棚田(?)ができました.土嶽を通る時には,ぜひ水を確認してみてください.

朝日とともに現れたラッタッタ.
小さいけれどぐいぐいと進みます.

アカマツの間から水路決壊の開始.
人の力ではとても掘れないような粘土質も掘っていきます.

そしてついに水が水路から外にながれはじめました.
仕事を終えて帰っていく姿は,どこかすがすがしささえ感じさせます.

そして当日.今回は,年度はじめの観察会ということで,自己紹介からはじめてみました.「お互いに名前が分かってヨカッタ」という声もあったので,これからは毎回やってみましょうか.
そして,現地で説明.

今日はこんな道具を用意しました.(しかし,足りないものがたくさんあることが後で発覚・・・.)
はじめに,土嚢を作って水流をせき止めます.

次々に投げ込まれる土嚢.
これが完成の状態.

続いて水路を作っていくのですが,足りなかったものその1,草刈り機.
そして大事な水準器.いやはや,斎さんに感謝です.

それからは,作業は順調に進みはじめました.
等高沿いに付けられた目印に向かってひたすら掘り進みます.

牧場の名残でしょうか.有刺鉄線が出てきました.
そしていよいよ水を流していきます.今回は水田のあぜ補修に使う「あぜ波」というものを設置しました.

水がもれる所は補修し,流れないと掘ったりして調整します.
うまくいくかどうか気になって,なかなかその場を離れられません.

お昼ゴハンをはさんで,作業再開.
2段目・3段目と進んでいきます.

だんだん効率が上がったのはビックリでした.
楽しくなってきた?

作業が終わるころにはすでに水びたしになりつつある場所がありました.
最後までおつかれさまでした.


過去の活動記録を見る

2006 2005 2004 2003 2002

トップページ利用案内イベント情報出版物自然史研究会
ニュースレターリンクサイトマップ

Copyright 2002-2011