西中国山地自然史研究会 観察会
春のブナ林

【案内文】
3月が異常なほど暖かかった2004年の春ですが,苅尾のブナ林はどんな様子になっているでしょうか?まだ瑞々しい新緑のブナ林で,植物や野鳥を観察しながら歩きます.
開催日時:5月9日(日) 10:00
集合場所:高原の自然館
準備:山を歩ける服装,弁当,雨具,双眼鏡,ルーペ,図鑑,メモ 等
講師:斎藤隆登・佐久間智子
定員数:30名人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北町民文化ホール

【報告文】
あいにくの雨天でしたが,26人の人が高原の自然館に集まりました.それぞれの自己紹介をした後,斎藤先生にブナ林の話をして頂いてから,車に分乗していざ苅尾へ.細かい雨に包まれた林の中,二人の先生の解説を聞きながら3時間程度かけて歩きました.遅い昼食をはさんで花合わせをしたところ,87種の植物を観察していました.[し]

今回の報告では,一部の写真を荒木則行氏,藤原俊二氏にご提供頂きました.ありがとうございました.

以下が,今回観察された植物の一覧です.
(※かっこ内の記号はそれぞれつぼみ(○),花(◎),実(●)を付けていたことを示す.)

アサノハカエデ,アブラチャン,イタヤカエデ,イヌツゲ,イノデ,イワカガミ(◎),イワガラミ(○),ウスギヨウラク(◎),ウバユリ,ウリハダカエデ,ウワミズザクラ(○◎),エゾユズリハ(◎),エビヅル,エンレイソウ(◎●),オオイタヤメイゲツ,オオカメノキ(◎),オオタチツボスミレ(◎),オトコヨウゾメ(◎),カラコギカエデ(◎),カンスゲ(◎),キイトスゲ(◎),キブシ,ギンリョウソウ,クルマムグラsp.,クロモジ(◎),コアジサイ,コシアブラ,コスミレ(◎),コチャルメルソウ(◎),コハウチワカエデ,コマユミ,ササユリ,サルナシ,サワグルミ,サワダツ,サワフタギ,シシウド,ジュウモンジシダ,シラネワラビ,スノキ,スミレサイシン(◎),ダイセンミツバツツジ,タチシオデ,タチツボスミレ(◎),タンナサワフタギ,チゴユリ(◎),チュウゴクザサ,ツクシミノボロスゲ,ツクバネソウ(◎),ツボスミレ(◎),ツリバナ(◎),ツルアジサイ,ツルニンジン,ツルマサキ,ツルリンドウ,トチノキ,ナガバモミジイチゴ(◎),ナツツバキ,ナツハゼ,ニシキゴロモ(◎),ニワトコ,ノリウツギ,ハイイヌガヤア(◎),ハスノハイチゴ,ハナイカダ(○),ブナ,ホウチャクソウ,ホオノキ(◎),マムシグサ(◎),マルバフユイチゴ,ミズキ,ミヤマイボタ,ミヤマカタバミ(◎),ミヤマガマズミ(◎),ミヤマカンスゲ(◎),ミヤマシキミ(◎),ヤブデマリ,ヤマアジサイ,ヤマウグイスカグラ,ヤマザクラ,ヤマジノホトトギス,ヤマソテツ,ヤマボウシ(○),ユキザサ(◎),リョウブ,リョウメンシダ,ワタゲカマツカ(○)


あいにくの雨でしたが,カッパを着てたくさんの人が集まった.
今日の講師,斎藤先生にブナやブナ林に生育する植物の話をして頂いた.

雪霊水でわれわれを迎えたのは,巨大なブナの倒木.こうして大きな木が倒れることによって世代が交代し,ブナの林が維持されている.
もう一人の講師,佐久間先生.ご専門は里山ということだが,植物を専門としたご職業だけあって何でもご存知.

いよいよブナ林へ.初夏のブナ林には雨がよく似合う.
ブナの若木.こんなに小さくても4〜5年以上も経っているかもしれない.

エンレイソウは,すでに実になっていた.
トチノキの展葉は精巧につくられた機械を思わせる.

山頂付近で見たエビヅルの新芽は,まるで花のよう.
そうかと思えば,ハイイヌガヤのように目立たない花をつけている木もある.

春を主張するようにシシガシラの新葉が伸び上がっていた.
山頂付近では樹高が低くなり,高木は吹き抜ける風に枝を奪われている.

霧とも雲ともつかない,細かな雨が森を満たしていた.ブナ林に降る水の豊かさを改めて感じた.
車道への道を下りながらも観察会は続く.

好い写真が撮れましたか?


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