西中国山地自然史研究会 観察会
鳥類相調査

【案内文】
季節の変わり目がやってきました.今回の調査では,渡りの途中で土嶽地区を通過している鳥類を観察します.全国的に見ても,草原は大きく減少しており,このような場所を潜行しながら移動していく鳥類にとっては,小さな草地も重要な働きをしています.当日は,道路を歩きながら観察・記録していく他,ネットを使った捕獲調査(バンディング)の様子も見学します.野鳥を手にとって,間近で見られる貴重な機会です.
開催日時:9月12日(日) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:山を歩ける服装,弁当,雨具,双眼鏡,ルーペ,図鑑,メモ,おやつ 等
講師:上野吉雄
定員数:30名人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北町民文化ホール

【報告文】
台風18号があちこちの道路をふさぐ中,ある人は迂回して,ある人は前日からと,参加者16人のみなさんとも,しっかり来て頂きました.ところが,折からの強い風でネットにかかったのはホオジロが一羽.それでも,ちょうど換羽中の個体を目の前に,鳥の生理について解説して頂きました.参加者からも「普段の双眼鏡を通した観察で得られる,羽毛の塊でふかふかしてそうといった感覚とは違い,血肉のある生物といった認識を得られる良い観察会だった」との感想を頂きました.足にリングを付けて放鳥した後は,歩きながらの観察です.今回見たり,声を聞いたりしたのは,アオジ,ウグイス,エナガ,カケス,コゲラ,ゴジュウカラ,ツバメ,ハシブトガラス,ヒヨドリ,ホオジロ,メジロ,モズ,カラsp.,キツツキsp.の14種でした.期待された渡り途中の鳥や,湿地生の鳥は観察できませんでした.別の見方をすると,今の土嶽は,こうした鳥にとって利用しにくい環境にあると言えます.今後,広島県の自然再生事業によって,どのように環境が変化していくのかが注目されます.[し]

※※※ 注意 ※※※
許可無く野鳥を捕獲することは,法により禁じられています.絶対に止めましょう.


講師の上野先生には,前日のうちにバンディング用の「かすみ網」を設置していただいた.
土嶽地区に設置されたネット.

千町原に設置されたネット.さて,鳥は入ってくれるかな・・・.
かすみ網で鳥を捕獲することは,許可が無ければできない.今回のデータも全国調査の記録として蓄積される.

そして観察会当日,千町原でネットにかかったホオジロ.
捕まったホオジロには申し訳ないが,じっくりたっぷり見せてもらった.

実物を示しての解説は,どんな本よりも分かりやすく,詳しい.
頭骨が透けて見える.

持ち方もコツがあるようで,先生の手の上でおとなしくしていた.
ちょうど換羽の時期で,中央尾羽が抜けていた.よく見ると,既に新しい羽根が生えてきていた.

捕獲された鳥は,足に調査用の標識(識別記号の記された金属のリング)を付けて放鳥する.
実物のリングを見ながら説明を聞く.これもなかなか無い機会だ.

ラインセンサスの途中には,虫こぶの着いたヌルデが台風で倒れていた.
さっそく虫こぶを解剖して観察.

ラインセンサスが終わった後に,もう一度ネットを確認.しかし新たな捕獲は無し.
千町原でも新たな捕獲はなく,ここで解散.


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