【報告文】
コブシとサクラが咲き競う中,14人の参加者が自然館に集まりました.二川キャンプ場に移動して,まずはサンショウウオ全般について,カスミサンショウウオの生態についてレクチャーがあった後,いよいよ本物の卵の観察です.カスミサンショウウオが産卵するのは,「1.落ち葉などがたまっている場所」「2.新鮮な水がゆっくり供給されている場所」「3.山(森林)と隣接している場所」だそうで,二川キャンプ場内の産卵場所では,すぐに卵塊を確認することができました.あるものは尾芽胚,あるものは孵化寸前まで発生が進んでおり,観察の刺激で卵から出てくる幼生もいました.一通りのレクチャーを受けた後は,いよいよ5班に分かれて卵塊探しです.今回は,サンショウウオだけでなく,カエルの卵も探しました.90分後に再集合し,調査結果をまとめた結果,2年前の結果とほぼ同じ場所で産卵が行われており,人工的に改変された牧場跡では全く産卵に利用されていない,ということが分かりました.また,参加された島津さんのお話では,今年は水質・水量ともに少しおかしいのではないか,ということでした.晴天が続いたためでしょうか.最後に全員で実験地を観察すると,沢山のヤマアカガエルのオタマジャクシが泳いでいました.一年前までは全くの乾燥地でも,環境さえ整えれば,動物は帰ってくることが証明されたのです.湿原の再生に向けて,また一歩前進したような気がしました. |