【報告文】
今回の観察会は,千代田地区の可愛川にて行いました.国の特別天然記念物であるオオサンショウウオの観察会ということで,子供を含め14名の参加がありました.とても暑い日だったため,川の水辺に腰をおろし,今日は,「オオサンショウウオが何を食べているか」「この領域にどれくらいのオオサンショウウオがいるか」ということを中心に観察していきましょうと内藤先生からのお話を聞きました. オオサンショウウオはいわば雑食で,ハヤ・アユ・ニゴイ・カワムツ・カワヨシノボリなどの魚類,アオダイショウ・クサガメなどの爬虫類,トノサマガエル・ツチガエルなどの両生類,カワガラスの毛,モグラ,オオサンショウウオ自身の脱皮片,などが,今までの調査時に口の中から出てきたそうです.ある時は.白菜がまるごと一株でてきたことがあり,びっくりされたというお話には参加者も驚いていました. この川の領域にいるオオサンショウウオは,マイクロチップをうめこむことで管理しているので,だいだいの個体数を把握しており,現在は推定200頭前後だろうということです. さていよいよ,オオサンショウウオを探しに移動します.先生を先頭に,巣穴と思われるところへ行き,持参したアユで誘い出すなどし,数カ所から4頭の捕獲に成功!!1頭ずつ洗濯ネット(!!)に入れ,計測できる場所に戻りました.まず,何を食べたか調べるため,口の中にポンプで川の水を送りこみ,それを吐き出させると,内容物がでてきました.今回は,脱皮片と小魚という結果でした.夏よりもむしろ,冬の方がエサとなる魚の動きが鈍いため,オオサンショウウオは太っているそう. 次は計測です.大きいもので,体長60cm・体重3kgほどでした.今回捕獲した個体4頭とも,マイクロチップが確認されました. 子供たちは最初は遠巻きに眺めていましたが,少しずつ近寄って観察して,「かわいいね」「思ったより大きい」という感想を持ったようです. 観察した後は,元の巣穴近くに放しました.少々名残おしかったですが…. 普段なら間近でみることのできないオオサンショウウオの姿に感動した観察会となりました.[こうの] |