西中国山地自然史研究会 観察会
オオサンショウウオの観察会

【案内文】
国の特別天然記念物,オオサンショウウオを観察します.当日は,文部科学省の許可を得て,オオサンショウウオが何を食べているのかを調べます.水中めがねと水着を準備すれば,実際に川に潜って観察できますよ.特に子どもさんにオススメです.

 
開催日時:8月7日(日) 13:00
集合場所:壬生小学校のやや上流(北)にある大かん堰(千代田ICから車で5分)
準備:弁当,雨具,ルーペ,図鑑,メモ,おやつ 等
講師:内藤順一
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北文化ホール

【報告文】
今回の観察会は,千代田地区の可愛川にて行いました.国の特別天然記念物であるオオサンショウウオの観察会ということで,子供を含め14名の参加がありました.とても暑い日だったため,川の水辺に腰をおろし,今日は,「オオサンショウウオが何を食べているか」「この領域にどれくらいのオオサンショウウオがいるか」ということを中心に観察していきましょうと内藤先生からのお話を聞きました.
オオサンショウウオはいわば雑食で,ハヤ・アユ・ニゴイ・カワムツ・カワヨシノボリなどの魚類,アオダイショウ・クサガメなどの爬虫類,トノサマガエル・ツチガエルなどの両生類,カワガラスの毛,モグラ,オオサンショウウオ自身の脱皮片,などが,今までの調査時に口の中から出てきたそうです.ある時は.白菜がまるごと一株でてきたことがあり,びっくりされたというお話には参加者も驚いていました.
この川の領域にいるオオサンショウウオは,マイクロチップをうめこむことで管理しているので,だいだいの個体数を把握しており,現在は推定200頭前後だろうということです.
さていよいよ,オオサンショウウオを探しに移動します.先生を先頭に,巣穴と思われるところへ行き,持参したアユで誘い出すなどし,数カ所から4頭の捕獲に成功!!1頭ずつ洗濯ネット(!!)に入れ,計測できる場所に戻りました.まず,何を食べたか調べるため,口の中にポンプで川の水を送りこみ,それを吐き出させると,内容物がでてきました.今回は,脱皮片と小魚という結果でした.夏よりもむしろ,冬の方がエサとなる魚の動きが鈍いため,オオサンショウウオは太っているそう.
次は計測です.大きいもので,体長60cm・体重3kgほどでした.今回捕獲した個体4頭とも,マイクロチップが確認されました.
子供たちは最初は遠巻きに眺めていましたが,少しずつ近寄って観察して,「かわいいね」「思ったより大きい」という感想を持ったようです.
観察した後は,元の巣穴近くに放しました.少々名残おしかったですが….
普段なら間近でみることのできないオオサンショウウオの姿に感動した観察会となりました.[こうの]

とても暑い日. 今日はどんな観察会になるのか,期待がふくらむ.
川の水は冷たく気持ちがいい. 魚の影が見えると,子供たちは網を持って追いかける.

内藤先生より,オオサンショウウオの生態・食性についてお話をしていただく.
こういった川のほとりの茂みに巣穴があるらしい.

潜って巣穴の中を観察. オオサンショウウオはいるかな?
1頭捕獲.

袋に入れた鮎の匂いにつられて,大きな個体が出てきた.
手早く作業する河野さん. 用意周到なプロの方でも,オオサンショウウオにかまれたことがあるそう.

体長を計っているところ. 水を飲まされ,吐き出した後なのでぐったり. 「計測は順序が大切.」と内藤先生.
オオサンショウウオの目はどこでしょう? 体の表面は少しぬめりがある. 赤ちゃんの手のような足がカワイイ.

川の水をポンプで飲ませる. 「麻酔をして内容物を調べるより,こっちの方がオオサンショウウオも楽なはず」 と内藤先生.
出てきたモノは小魚・オオサンショウウオ自身の脱皮片.

紙を食べていた個体もいた.
名残惜しいけれど,元の場所にかえす. オオサンショウウオが,いつまでも生息できるような環境作りが大切だと実感した.


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