【報告文】
昨年の調査とは時期を1ヶ月遅くしての開催です.講師の上野先生は昨晩から続けて調査しており,集合時刻には捕獲した鳥を持っておられました.これらの鳥は体長や体重を計測した後,足環を付けて放鳥されます.バンディング調査は許可を得た「バンダー」しか行うことができないので,それを間近で見ることは貴重な経験でした.それに何よりも,間近で鳥を見るのはスコープを通してみるそれとは違い,体の特徴などもよく分かります.
計測・放鳥を見学した後は,全員で土嶽付近を歩きながら,確認された鳥を地図上に記していきました.土嶽ではホオジロ,ヤマガラ,エナガ,ヒガラ,コゲラ,シジュウカラ,メ白,ウグイスなど,森林生の鳥がほとんどでしたが,草地の残っているほんの一部ではノビタキやキジが見られました.
今回のバンディング調査では,千町原では草原生の渡り鳥が捕獲されたのに対し,土嶽では森林生の鳥だけが捕獲されました.ほんの数百メートルしか離れていないのに,渡り鳥は土嶽を全く利用していないということです.かつては湿原だった場所が藪になり,渡り鳥には全く利用できない環境へと変わってしまっていることが端的に表れた結果でした.今後,湿原の再生事業が進めてゆき,事業の評価をするための貴重な資料がまた一つ増えました.[し]
今回の調査に先立ち,藤原俊二さんと杉原崇晃さんに調査地の草刈りをして頂きました.ありがとうございました.
※※※ 注意 ※※※
許可無く野鳥を捕獲することは,法により禁じられています.絶対に止めましょう.
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