西中国山地自然史研究会 湿原再生プロジェクト
鳥類相調査

【案内文】
夏から冬へと変化するこの時期は,鳥の渡りの季節です.この観察会では環境省の許可を得て行っている調査の一環として,かすみ網を使って捕獲した野鳥を間近で観察します.換羽の様子など,双眼鏡や望遠鏡を使っての観察では絶対に見られない鳥の姿を見るチャンスです.間近で鳥を観察した後には,湿原の再生を行っている土嶽地区を歩きながら野鳥の観察を行います.ぜひご参加ください.
開催日時:10月9日(日) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:山を歩ける服装,弁当,雨具,双眼鏡,メモ,おやつ 等
講師:上野吉雄
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北文化ホール

【報告文】
昨年の調査とは時期を1ヶ月遅くしての開催です.講師の上野先生は昨晩から続けて調査しており,集合時刻には捕獲した鳥を持っておられました.これらの鳥は体長や体重を計測した後,足環を付けて放鳥されます.バンディング調査は許可を得た「バンダー」しか行うことができないので,それを間近で見ることは貴重な経験でした.それに何よりも,間近で鳥を見るのはスコープを通してみるそれとは違い,体の特徴などもよく分かります.
計測・放鳥を見学した後は,全員で土嶽付近を歩きながら,確認された鳥を地図上に記していきました.土嶽ではホオジロ,ヤマガラ,エナガ,ヒガラ,コゲラ,シジュウカラ,メ白,ウグイスなど,森林生の鳥がほとんどでしたが,草地の残っているほんの一部ではノビタキやキジが見られました.
今回のバンディング調査では,千町原では草原生の渡り鳥が捕獲されたのに対し,土嶽では森林生の鳥だけが捕獲されました.ほんの数百メートルしか離れていないのに,渡り鳥は土嶽を全く利用していないということです.かつては湿原だった場所が藪になり,渡り鳥には全く利用できない環境へと変わってしまっていることが端的に表れた結果でした.今後,湿原の再生事業が進めてゆき,事業の評価をするための貴重な資料がまた一つ増えました.[し]

今回の調査に先立ち,藤原俊二さんと杉原崇晃さんに調査地の草刈りをして頂きました.ありがとうございました.

※※※ 注意 ※※※
許可無く野鳥を捕獲することは,法により禁じられています.絶対に止めましょう.


はじめに室内で,この調査の意義について説明を受けた.
鳥の足に付ける足環.すべてに記号が振ってある.

各部を手際よく計測する上野先生.
バンディング調査は環境庁の許可に基づいて行われる.

かすみ網に鳥がかかる仕組みを聞く.
歩きながらのセンサスも行った.

土嶽では茅場はほとんど残っていないが,わずかな茅場にノビタキがいた.
道路を横断するキジ.

えーっと・・・.
土嶽で確認されたのは,ほとんどが森林生の鳥だった.


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