西中国山地自然史研究会 観察会
スノートレッキング

【案内文】
雪の上を歩いてみませんか?雪の野原を歩いたことがありますか?真冬の八幡を見てみませんか?寒い中で飲むコーヒーはいかがですか?今回の観察会は「雪の上を歩いてみよう」という企画です.雪の原をみんなで歩けば,いろんなものが見えてくるはずです.スノーシューで,クロスカントリースキーで,一緒に歩いてみませんか?スノーシューのレンタルや民宿等,ご相談下さい.
開催日時:3月12日(日) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:長靴,(あれば)かんじき,弁当,ルーペ,メモ,おやつ 等
講師:
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北文化ホール

【報告文】
午前8時,八幡はパラパラと雨が降っていました.市内から来る人達のことを考えると,中止を決定するならもう電話しないといけませんが,雨の中を歩いてみるのも良いかもしれないと判断し,決行することにしました.すると,開始時刻ごろには雪に変わっていました.
今回は千町原と反対の土嶽の方に歩いていきました.雪がずいぶん溶けていて,木の枝を見ると,かなり高いところにもウサギの食べ痕がありました.これは,ウサギが木に登ったのではなく,枝が雪で押さえられていたためです.雪の影響は多様です.ウサギはイヌザンショウを好んで,ズミやノイバラも食べていました.
土嶽では,八幡湿原自然再生事業の広報担当幹事をしている茂田さんに事業の説明をしていただきました.冬の間はそこが湿原でもノイバラの藪でも,同じ一面の雪景色なのですが,湿原が再生されると,景観はガラリと変わるのでしょう.
水口谷湿原の広い木道を通って千町原の丘の上に着くと,ずいぶん雪が溶けていました.そこでは,ハタネズミの通り道やイノシシのフン,地衣類なども見られました.
悪天なので,お弁当は持たずにおやつだけにしたのですが,終わってみるとトレッキングには良い天気でした.途中から雪は止んだのですが,ずいぶん冷え込んだようで,木の枝にはつららができはじめ,苅尾のブナ林はきれいに樹氷が付いていました.13時を少し回った時間に自然館の前で解散しました.[し]

背丈よりも高いところの枝をウサギが囓っていた.
八幡湿原自然再生事業の説明をする茂田さん.

木の中にいる虫を食べるのは,アオゲラ,アカゲラ,オオアカゲラ,コゲラなどのキツツキの仲間に加え,キバシリとゴジュウカラがいる.
無惨に枝が曲がったカラコギカエデ.それでも,春にはきれいに芽吹くのだろう.

水口谷湿原の入り口では,水路に沿って雪が溶け,ヨシが整然と倒れていた.
カキツバタの自生群落では,新芽が覗いていた.

ウスタビガは,秋頃に羽化する.これは空になったまゆ.
雪が溶けて現れた遊歩道の支柱にテンのフンを見つけた.オオウラジロノキの実を食べていた.

まだ80cmくらいの積雪がある.
木の根本だけは雪が溶けて「ねあき」が出来ていた.

木の下側から溶ける様子が良く分かる.
雪の上にカゲロウがいた.春だ.

千町原の丘は,だいぶ雪が溶けている.
雪の下を移動するハタネズミの道.夏はもっと深く作るので見られない.

イノシシのフン.茶色っぽいのはウサギのふん.イノシシのフンはまとまって排泄され,ばらける.
色鮮やかなのは地衣類だけ.

苅尾の山頂は樹氷に被われていた.
最後にちょっとだけ冒険.


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