西中国山地自然史研究会 観察会
阿佐山の動植物

【案内文】
大暮地区の山,阿佐山に登りながら植物を観察します.苅尾山では成熟したブナ林が見られますが,阿佐山では多くがまだ若い木です.そのため,林床の植物も二次林的な要素が多く残っています.二次林とブナ林,両方の植物を観察しましょう.
開催日時:6月18日(日) 9:30
集合場所:清流の家(大暮)
準備:山を歩ける服装,弁当,水筒,筆記用具など
講師:佐久間智子
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北文化ホール

【報告文】
昨年と同じく,大暮橋からのルートを登りました.今日のテーマはカエデ.佐久間先生はカエデの葉を挟むためのファイルを作って来られ,みなさんに配ってくださいました.
登山道に入る前にもアサノハカエデやマムシグサ,ヤグルマソウなどを見る事ができました.橋を渡り,砂防ダムを超えて登っていくと,二次林から植林へと続きます.古い炭焼き釜の跡もあり,人に使われてきた山だということが分かります.頭の上にはエゴノキやアサガラが咲き,林床にはフタリシズカやツクバネソウが咲いていました.珍しいシダ植物,マンネンスギも見る事ができました.
尾根にたどり着いたところで昼食を取りました.山頂へは行かずに,そのまま降りる予定でしたが「どうしても山頂に行きたい!」という多数の意見があったので,数名は山頂まで往復しました.引き返す時にカエデの確認をするとほとんどの種類が揃っていました.下り道ではギンリョウソウの地下組織を観察しました.地上部も不思議な姿ですが,本体は地下にあります.掘ったギンリョウソウは高原の自然館に標本として置いていますので,見たい方は声をかけてください.下る途中では,オオルリのさえずりがたくさん聞かれ,中にはほんの6・7mほどのところまでやってきた個体もいて,しっかりと姿を見る事ができました.
山を下ったところで観察した種を挙げてから解散しました.お天気が良く,絶好の登山日和でした.

【みなさんの印象に残った物】
「オオイタヤメイゲツの見分け方.」「知識の多い方が多く,色々話が聞けてよかった.」「カエデの種類チェック.(2)」「ギンリョウソウの菌根菌.(2)」「カエデの種類が少し分かった.」「イワツバメが橋の下に巣作りしていた.ギンリョウソウの根.」「去年も参加したのですが,めずらしいマンネンスギ,カラスシキミ,ヒョウタンボクに出会えた事.」「マムシグサの雄株と雌株の見分け方.(3)」「モミジ,カエデ類の多さ.(2)」「ハンショウヅルを初めて見た.」「フタリシズカとオオルリ.」「オオナルコユリはホント大きかった.」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「色々ある植物の中で,カエデを中心にしたのが良かった.」「マムシグサ,ギンリョウソウなど,名前を知っていてもその中身など知らなかった事が分かった事.」「説明者は皆に聞こえるよう工夫がいる.頂上まで登る意味があったのか?」「ゆっくり歩いてみると,いろんな植物が発見できて,説明もしてもらったので,よく理解できた.」「大変お天気が良く,楽しい登山でした.」「大変有意義で楽しかったです.」「つかれた!!」「カエデ観察の興味がわきました.」「初心者でも気軽に参加できた.」「長かったけどたまにはいいですね.」「カエデの資料はたいへん良かった.」


林道の脇に車を停めて,いざ出発!
沢水がきれいだった.

開き始めのヤマボウシ.
早速登場したアサノハカエデ.

沢を渡り,砂防ダムの脇を登る.お天気でよかった.
植林地の林床も多様な植物が見られた.

コケの上にぽとりと落ちたエゴノキ.
人が利用していた阿佐山への登山道は,広葉樹も幹が細い.

フタリシズカが見頃だった.
ツクバネソウ.

シダの仲間,マンネンスギもひっそりと生えていた.
オオナルコユリ.

葉の付き方が特徴的なハスノハイチゴ.花は下向きに付く.
阿佐山のブナ林.やっぱり木が細い.

下山する前にカエデの復習.
カエデのファイルは,押し葉にすれば使いやすい標本に.これはイイ.佐久間先生,アイデア賞だ.

ギンリョウソウにみんなの視線が集まる.
根は意外に浅かった.

ルーペで見てもひげ根が無い.やっぱり変わった植物だ.


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