西中国山地自然史研究会 観察会
水口谷の昆虫と植物

【案内文】
高原の自然館がある場所を「水口谷(むなくとだに)」と呼びます.その中にある水口谷湿地は,ハンノキが優占しています.木道が取り付けられた湿地を歩きながら,かつて千町原に広がっていた湿原の姿を探ります.夏の湿原なので,花や虫もたくさん見られると思います.西中国山地自然史研究会にとって,はじめての場所です.
開催日時:6月24日(土) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:山を歩ける服装,弁当,水筒,筆記用具など
講師:岩見潤治,和田秀次
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北文化ホール

【報告文】
夏だ~と叫びたくなるような晴天に恵まれ,自然館前に集合した20名の参加者のみなさんも笑顔いっぱいでした.植物専門の和田先生,昆虫専門の岩見先生に本日の日程などをお話ししていただき,「今日はみんなで楽しみましょう!」という岩見先生の一声のもと,足取り軽やかに出発しました.
湿地に着くまでの道々にも,色々な質問や疑問が飛び交っていました,ハルゼミの鳴く声を聞いたり,止まっているチョウの名前を教えて頂いたりもしました.また.イタチハギに群がっているハナアブ・コメコガネ・セイヨウミツバチ・ハナムグリ・コチャバネセセリなどを観察し,特長や習性をお話くださいました.道沿いにはノイバラが咲いており,目を楽しませてくれ,近くではイカルの鳴き声も聞こえてきます.そんな中,八幡で発見されたというヒロシマサナエが次々と現れ,みんなをびっくりさせてくれました.テンのフンから何を食べていたかを導き出したり,マムシグサの生態を聞き,個体をみてオスかメスかを判断したり,ヤマザクラの実を実際に味見したりとフィールドだからこそできる観察を大いに体験できました.
個人的には,和田先生のギャグ大炸裂に笑い,岩見先生のシュレーゲルアオガエルの鳴き真似に感心し,チョウには特定の食草があるということがわかり,ほんの少しだけれどもチョウの種類にも興味をもつことができました.
普段なら咲いているきれいな花だけを見て,通り過ぎてしまいがちですが,昆虫・植物など見たものを観察し,名前や生態を先生方そして参加者のみなさんにも教えていただき,それが自分の知っている事柄と何らかの形で繋がっていることが分かる喜びを味わい,ただ単純におもしろい!スゴイ!という感動や興奮を味わえる満足度いっぱい.ついでに汗びっしょりな観察会となりました.[こ]

【みなさんの印象に残った物】
「スイカズラの花,ハルゼミとエゾゼミ.」「ヒロシマサナエ,ハンノキの樹林と湿地.」「先生の話が面白かったです.」「湿原を初めて歩いた事.特有の植物や昆虫を見られた事.」「マムシグサの特徴.」「じっとしたヒロシマサナエ.(7)」「昆虫と草花のかかわりが分かったのが楽しかった.」「シュレーゲルアオガエル,ニホンアカガエル」「マムシグサの花」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「いい天気で楽しく観察できました.」「快晴で風がさわやかで大変良い日でした.」「70才を過ぎて初めて見る虫や植物を見る事ができ,多くのものを学びました.」「梅雨の中,よい天気でよかった.ヒロシマサナエを初めて観察できたことが良かった.」「ふだん入らない湿地での観察が良かった.少人数だったので先生の説明がよく聞こえてよかった.」「とてもめずらしく,感動しました.」「昆虫にはあまり興味がなかったのですが,いろいろ教えて頂き,とても良かったです.」「木道が斜めになって,雪が多かったためでしょうか,気になりました.」「昆虫をたくさん教えて頂けてよかったです.」「なごやかでよかったです.」「簡単な資料を提供して頂ければなお良い.」「植物と昆虫のセットがおもしろかったです.」「湿地再生がどのようになるのか,楽しみです.何かお役にたてることができればいいな,と思います.」

※ 岩見先生から,トビケラの名前について訂正がありましたのでお伝えします.

「当日,ハンノキ林内の小川沿いでヒラヒラ飛んでいたトビケラの名前を「ホタルトビケラ」とお伝えしましたが,本当の名前は「ヨツメトビケラ」です.スミマセン!ホタルトビケラは似たような環境に棲んでいますが,羽根に紋がありません.また,初冬に出現するのでみられる時期も違います.当日みられた「ヨツメトビケラ」は,4枚の羽それぞれに目立つ白い紋があり,「四つ目」の由来となっているのですね.」


「はい,これは何でしょう?葉の形は?種をみるともみじです.カラコギカエデです.」
「ここに虫がたくさんいますね.」

イタチハギの花粉を食べるハナムグリ.その他コチャバネセセリ・マメコガネ・ハナアブ・ミツバチなど.
「花は虫のレストランです.」

シロシタホタルガの幼虫.夜汽車と命名.
ヒロシマサマエ発見.みんな順番にカメラにおさめる.

動きがゆっくりでみんなの撮影によく耐えてくれた.
何のフンでしょう?何を食べているんでしょう?テン サクランボかな?

まだまだ全開しそうにないハンカイソウ.
さてマムシグサの♂か♀か.

ハンノキ林内の今.
木道は一列でマイク活躍.

ツタウルシの花のつぼみ かぶれが一番きつい 要注意!!
ハナカミキリが幼虫をねらう.獲物が大きすぎる?

この後あきらめて退散する.


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