西中国山地自然史研究会 観察会
土嶽の植生調査,夏

【案内文】
八幡湿原自然再生事業の区域内に設置した実験区で植生調査を行います.2004年に設置した水路の影響で,実験区では徐々に植生が変化しているようです.この結果は,来年からはじまる工事の計画にも参考にされました.継続して調査していきましょう.
開催日時:6月25日(日) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:汚れても良い服装,長靴,弁当など.
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北文化ホール

【報告文】
前日とはうってかわり,朝から強い雨が降っていたので,これまでの調査結果を報告と,自然再生事業の進行状況について解説をして,自由に意見を交換する会にしました.
はじめに,白川の方から,3年間続けてきた植生調査の結果について報告しました.『苅尾 第15号』に掲載されているように,湿潤な環境になった場所では比較的速やかに湿原生植物の優占度が高くなっていました.一方で,優占度が低くなった陸生植物は,全く居なくなるのではなく,細々と生き続けることが伺えました.その後,野村さんに自然再生事業の全体像について解説していただきました.特に,工法や完成像については様々な意見が出ました.
多くの意見が出て,活発な議論となった反面,論点がまとまらない,という指摘もあり,事務局の準備不足だったと反省しています.できなかった植生調査については,7月22日に行いたいと思いますので,ぜひご参加ください.

【みなさんの印象に残った物】
「自然を後世に残す事は大変な努力がいる.」「町道の撤去の意見が結構あったこと.」「どういう再生をするのか,工法は本音で話せた.」「湿原再生のあり方が分かりました.」「湿原再生の話ができた事.(2)」「自然を再生させる難しさがよくわかりました.(2)」「山麓庵から雨の風景をながめたこと.」「土木の話がおもしろかった.いろんな技術がありそうだ.」「人によって,湿原の再生というものに対して,実に様々な想いをもっているということ.」

【参加したみなさんの感想】
「町に住んでいる人間のみが討論しているが,地元の方々はどうだろうか.」「流れがつかまえられた.」「再生の最終の姿をある程度描く事も必要だと思う.」「湿原再生は地元の人々ともっともっと共有して行った方が良い.」「想いはいろいろあるが,いかに再生するかを皆が考えているのだという事がわかったことが良かった.」「湿原の価値も大切だということがわかりました.」「再生事業の到達点が難しいんだなぁ.」「議論の柱をもう少し明確にした方が良いと思います.」「いろいろな方の思いが聞けてよかった.」「再生事業に関する簡単な資料があれば良かったです.」「計画,予算と人々の思いとの間で揺れ動いているこの事業が,少しでも良い方向に向かえばと思います.」「雨が降ったが基本が理解できた.」「野村さんの説明が良かった.」「参加者それぞれが意見を出し合うことができる場であったと思う.」

【自由記入】
「苦痛に感じずに楽しみながら物事を進めていければと思う.」「研究会でも何度かこのような熱心な論議があるとBetter.」「公園化だけは避け,自生した植生に戻せるようにしたい.」「峡,参加した事で今までの経過がよく分かり,勉強になった.」「自然を相手にして人間がやった事を元にもどそうとするのだから,あまり大げさな事でなく,出来る範囲(現計どおり)でやっていけば良いと思う.」「世界的にも価値のあることをしていると思うので,皆になるほどと思わせるような湿原を作っていきたいと思います.永く,保全していくシステムを作っていくために,若い人たち,子供たちにも今からアピールしていく必要があると思う.」「目標とする湿原は過去のものでも「再生」を含め,新しいものをつくっていくのが,この再生事業のような感じがしました.復元がさらに未来につながっていくのですね.」「西中国山地自然史研究会の調査結果等は,自然再生にどのように伝わっているのでしょうか?また,西中国山地自然史研究会と自然再生協議会との関係はどのようにとらえられているのでしょうか?」

《※編集注:西中国山地自然史研究会の調査結果は,学会で発表されたものに関しては,その資料を委員に配布しました.それ以外の資料については,一度報告したことがありますが,本年度新たに委員になった方には伝わっていないはずです.今回発行した『苅尾 第15号』が配布されるので,植生調査と鳥類の調査については周知されるはずです.カスミサンショウウオや昆虫相(ガ)についても同様に公開していく予定です.また,協議会との関係については,西中国山地自然史研究会は1団体委員として参加しています.ただし,西中国山地自然史研究会の会員のうち,13名が個人的に委員として参加しています.協議会は36名の委員によって構成されているので,3分の1以上が西中国山地自然史研究会と関係しています.》


野村さんに事業の概要を説明して頂いた.
工法などについて,意見が交わされる.

説明にもつい熱が入った.


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