西中国山地自然史研究会 観察会
雲月山の植物観察会

【案内文】
4月8日に山焼きが行われた雲月山で植物の観察をします.昨年は8年振りに山焼きが再開され,今年は別の場所に火が入れられました.さらに,今年は牛の放牧が行われているので,全体的に植生が変わっています.ススキの穂がゆれ,秋の草花が咲きそろうこの頃,雲月山の見頃はピークを迎えます.昔の植生へと戻りつつある草原を堪能しませんか?
開催日時:9月24日(日) 9:30
集合場所:       
準備:山を歩ける服装、弁当、水筒、筆記用具、双眼鏡など
講師:和田秀次
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北文化ホール

【報告文】
なぜか毎年天気に恵まれる雲月山ですが,今年もとても良い天気でした.ススキの穂は開きかけて,白い波が見えています.参加者29人は,島根県境に近い駐車場から登山を始めました.
今年の観察会では,はじめてマムシを見つけました.「草原の中で何を食べているんだろう?」「ネズミだろうか?」といった話をしていたら,今度はトノサマガエルが現れ,雲月山を舞台にした食物連鎖の一旦が伺えました.
植物の方では,ハバヤマボクチ,ウメバチソウ,シラヤマギクなどが見頃を迎えていました.キキョウは種になり,マツムシソウ,オミナエシは盛を過ぎているようでした.植物の種類によって,昨年よりも早まっているものと遅れているものとの違いがあり,興味深いことでした.
今年のもう一つの特徴は,牛が放たれていたことです.今年の6月から放牧された牛は,10月中旬から回収され,放牧は10月いっぱいで終了するそうです.食べられたササやススキ,牛によってできた道や,牛の糞に混じってやってきた水田雑草など,雲月山の植生に大きく影響していました.なによりも,草原の中でのんびりと草を噛んでいる風景はとてものどかなものでした.
山頂で昼食を取ったあと,今春山焼きをした場所と焼かなかった場所とを比較しながら東屋まで戻ってきました.東屋では刈り取られたヨモギを使ってお灸を作ってみました.
駐車場で花合わせをしたあと,何人かの方から感想を聞きましたが,やっぱり焼いた方が良い草原になりますね,という結論でした.秋の花が一休みするタイミングだったようですが,心地よい風の中,楽しい山歩きができました.[し]
今回,越岡さんからも写真を提供していただきました.ありがとうございました.

【みなさんの印象に残った物】
「ヤマジノホトトギスやオミナエシがたくさん増えているなと思いました.」「天気がよかったので色々な花の説明が得られてよかった.」「花が少なかった.」「草原での牛.いい光景でした.」「風景,秋の草花を堪能しました.」「牛,ノダケ,リュウノウギクの香り」「名前は覚えられませんでしたが,たくさん写真がとれました.」「八幡では見れない花が見れたこと.ハバヤマボクチ」「マツムシソウが2年草ということ」「マムシを近くで見たこと.(6)」「草花の種類の多さにびっくりしました.」「火入れ後の1年と2年目のちがい」「ウメバチソウ,マツムシソウ,ウシ」「ススキと風.雲月山の緑.」「登山と違って草花の観察ができ楽しかった.」「マムシに触れたこと.牙を見れたこと」「沢山の草花が見れたこと.去年の山焼きの後の方が多かった.」「秋の空に草原がよく似合っていた.」「よい天候とすばらしい草花に出会えてよかった」「今まで会った事のない花に出会ったこと.」「秋の草花」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「マムシとの接近.観察会ならではの出来事に出会え心に残りました.」「のんびり歩けてよかったかな?」「いつ来ても良いとこ.全体を焼ける日が早く来ることを願っています.」「1年目2年目の山焼きの違いも少し分かった.」「よい運動になった.」「昨年より花が少なかった.」「山焼きに参加していたので,その後が見れてよかったです.」「最後のまとめがとても参考になりました.」「動物,植物両方観察できてよかったです.」「のんびり観察できたのでよかった.周囲の方の方が植物の名前に詳しいので,講師と距離があっても問題なかった.」「毎回新しい.次回も参加してみたいと思いました.」「去年に比べ花が少なく感じました.マムシがよく見られてよかったです.」「お天気もよく,大変楽しかったです.」「山焼き,がんばりましょう!!」「毎年参加でき,その経過に興味を持っている.」「来年山焼きに参加してみたい.」


雲月山の駐車場で,今日の観察のポイントを確認した.
今年焼かなかった場所も,明らかに草丈が低くなっていた.

登り初めてすぐのところでマムシが登場.オミナエシに囲まれながら,体のつくりを観察した.
山頂への道.こちらは焼いた所だが,ススキの背が高くなっていた.

山頂で勢揃い.気持ちの良い登山だった.
燃やした場所とそうでない場所の境界に入って,違いを体感.

意外と素早い牛たち.
種をつけたモウセンゴケ.

ヤマシロギクはたくさん見られた.
東屋でヨモギから艾を作った.

最後に観察した植物や山焼きの意義などを確認した.


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