西中国山地自然史研究会 観察会
キノコの観察会

【案内文】
毎年人気のキノコの観察会です.例年より遅い時期の開催なので,違ったキノコを見ることができるかもしれません.名前が分かるだけでなく,キノコの生態についての解説もあり興味深い観察会になりそうです.
観察会の後に試食をします.お楽しみに.
開催日時:10月28日(土) 9:00
集合場所:高原の自然館
準備:山を歩ける服装,キノコを入れるかご,お弁当(お昼にキノコ汁をしますので,ごはんを持ってきて下さい)
講師:山手万知子
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館,芸北文化ホール

【報告文】
秋晴れの空の下,自然館前でのレクチャーから始まりました.先生は,今年は秋の気温が高かったことで,キノコは不作だろうという予想を話されました.また,時期的には地上性のキノコは少なく,倒木や枯れ木から生える樹上性のものが多いだろう,というお話でした.
昨年と同様,千町原に車を停めて,苅尾へと登って行きました.たしかにキノコが少ないような気がしましたが,見つける方は上手に見つけるもので,下りるときには籠いっぱいにキノコを集めておられました.キノコが取れなくても,アカマツの大木や,ミズナラの黄葉,真っ赤になったウリハダカエデなど,回復してきた森林を十分に堪能することができました.
お昼前には高原の自然館に再集合して,同定をはじめました.それぞれが採ってきたキノコを並べ,山手先生が次々に名前を付けてゆきました.おいしそうだと思って採ったものが毒きのこだったり,同じ種類でも姿に変異があったりで,参加者からは驚きと関心の声が上がっていました.
同定を終えると,いよいよオタノシミのきのこ汁です.今回はかりお茶屋さんに汁を作っていただきました.大きな椀にたっぷりの汁は,いろいろなきのこの味が出ていて,たいへん好評のようでした.中には2回もおかわりした人もおられたようです.
キノコは中毒するものもあり,少しコワイところがありますが,知識を持って採取すれば素晴らしい味に出会えます.先生の言葉を引用すると「一度にたくさん覚えようとせず,一年に2つか3つ,食べられるものを覚えてください.そうすれば10年後には20から30を食べられるようになりますよ.」ということでした.キノコとつき合うには,気長にゆっくりと,ということでしょうか.
日程の連絡で,当初と現地で集合時刻を違えて言ってしまったようです.お待たせした皆様に,事務局しらかわからお詫び申し上げます.[し]

【みなさんの印象に残った物】
「秋空のもと,皆さんと楽しく山頂目指して登ったことです.」「山をおりたあとのきのこ汁が大変おいしかったです.(7)」「私が採ったキノコの中に猛毒キノコがあったこと.」「チャナメツムタケ.」「今日採ったキノコを味わえたこと.」「粘菌があったこと.」「ピンクの毒きのこ!ときのこ汁の美味しさです.」「ブナハリタケを初めて採ったこと.」「今まで何というきのこか分からなかったチャナメツムタケがわかった.」「きのこ汁がおいしかった.たっぷり食べました.」「きのこの種類の多さ.昨年に続きおどろきです.とっても楽しかった.また来年もよろしくお願いします.」「食べられるきのこ新発見,うれし〜!古木がたくさんあって感動しました.」「昨年と同じ所でも,ちがって楽しかった.」「クリタケの頭がくりくりしてたのがかわいらしかったです.あと,唯一自分でとれた "食" のきのこ.」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「昼食の試食会.自分たちの採った茸を入れての汁は最高でした.」「天気に恵まれ皆様と楽しく山を歩くことができて大変よかったです.」「小雨のせいか,全体にキノコは少ないようでしたが,それでも色々な種類があり,興味深い経験でした.」「やはり,食べられるものとなると燃えますね.」「余り種類は採れなかったけど,クリタケが採れて良かったです.人数もまとまりのいい数で動きやすかったです.」「キノコには少し遅かったのでは?」「みんなで採ったものを一緒に食べるのは楽しいですね.」「適度な汗をかき,気持ちよかった.」「今まであったことのない人と出会え,また二度・三度と会って同一の趣味を味わいたい.」「食後の汁の美味しかったこと...来年も.」「毎年とても楽しみです.きのこ仲間も出来,続けてくださいね.」「ぐるぐるとキノコを探していると,なんだか欲張りな人になった気分がしました.楽しかったです.」


自然館の前で山手先生に説明を受ける.
朝露の残るススキ原を進み,苅尾山へ.

登山道に入ると,倒木からワサビタケが生えていた.
ササが繁るところにもいくつかのキノコがあった.

立ち枯れの木に並んだミイロアミタケ.
さらに登ると,ミズナラやブナの若齢林になった.

大きなミズナラの上で憩う.
この倒木にはムラサキゴムタケをはじめ,いくつかのキノコと粘菌が付いていた.

たくさんのニガクリタケ.
ススキの穂は乾いて揺れていた.

高原の自然館前で採ったキノコを並べて鑑定の開始.
今年は少なかったというが,それでも様々な種類が集まった.

同定が終わったキノコは,この日の閉館時まで,展示された.
本日の収穫も入ったきのこ汁.

汁を食べながら,キノコ談義に花が咲いた.
ミイロアミタケ

チャウロコタケ
イタチナミハタケ(毒)

クリタケ(食)
チシオタケ

ツリガネタケ
シロカイメンタケ

アイカワタケ
アシナガタケ

アケボノドクツルタケ(猛毒)
カワラタケ

ドクベニタケ(毒)
オオキツネタケ

ベニタケ属
ナヨタケ属

イッポンシメジ属
タケリタケ

クリタケ(食)
スッポンタケ

オツネンタケ
タヌキノチャブクロタケ

アカカバイロタケ
オシロイタケ

シイタケ(食)
イチョウタケ(毒)

キビダタケ(毒)
ナメコ(食)

ツキヨタケ(毒)
チャツムタケ(食)

カワラタケ
ヒラフスベ?

ニガクリタケ(猛毒)
センボンイチメガサ?

サルノコシカケ科?
ブナハリタケ(食)


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