西中国山地自然史研究会 観察会
畳山の植物観察会

【案内文】
瑞穂,大朝,芸北の境にある畳山に登りながら植物の観察をします.畳山は明治時代まではたたら製鉄のために砂を採る山でした.その掘り跡から流れ出る砂を止めるために,昭和後期に作られた砂防堰堤は,既に埋まっています.今回は瑞穂側から山頂まで登りながら観察をします.
開催日時:6月3日(日) 9:30
集合場所:瑞穂ハイランドスキー場
準備:基本セット,弁当
講師:斎藤隆登
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
思いがけず,好天に恵まれ,21名の参加で始まりました.今回は北広島町の自然学術調査のメンバーも加わり,それぞれの得意分野をおおいに発揮していただいて,参加者は大変勉強になりました.
瑞穂スキー場の畳コースからの登山では,駐車場横の草むら・植林の中などでオオアワガエリ・ホウチャクソウ・オオナルコユリ・フタリシズカ・ヤグルマソウ・ヒメシラスゲ・オクノカンスゲ等々が見つかり,なかなか進まないので,「先が長いので急ぎましょう」と声がかかったりもしました.トラツグミやツツドリの声も聞こえました.傾斜がかなり急で少し遅れると先生の話を聞き逃し,「今のは何?」と他の人に尋ねたり,写真も撮りたいし,聞いたこともないような植物の名前の書取などかなり忙しく 改めて名もない草花などないことを実感しました.サンヨウブシ(数少ない無毒のトリカブト)の群落もあり,オヒョウというアイヌの人が織物に使った木や,コバンノキ・ミヤマハハソなども見られました.トチノキやハクウンボク・オオバアサガラなど今まさに花の時期のものもありました.ゲレンデの中にはコナスビやミミナグサ・ジシバリなど田んぼの畦に見られるような,草刈りのしてある湿った所を好むような植物もたくさん見られました.一応三角点まで行こうということで,しばし藪こぎをして,背丈ほどもありそうなササの中を前進,少し,雨がぱらつきましたが,無事お昼ご飯となりました.みんなで集合記念写真を撮り,午後は調査と帰路に着く人に分かれました.帰りに駐車場ゲート付近でアカショウビンの声も聞こえました.山岳会の強者もいましたがハードな山道で翌日皆さんどうだったのかな?と心配された観察会でした.[や]

【みなさんの印象に残った物(抜粋)】
「スゲの花が咲いていて勉強になりました.親切に教えて頂きました.」「ハンショウヅルの花がきれいでした.スキー場の上からの眺めが気持ちよかったです.(2)」「やぶこぎ」「夏の阿佐山を見たこと」「スキー場の直登」「開放感のあるスキーのゲレンデといろいろな花」「今日は熱心に観察しメモした.」「想像したより多くの植物があった.」「畳山山頂に登れたこと」「どんな植物もしっかりみてあげたこと.」「サンヨウブシトとトラツグミ」「植物の多さ」「スキー場にアカモノがあったこと.」「皆さん和やかな雰囲気で楽しかった.」

【参加したみなさんの感想】
「スキー場からの登山と聞き,植物はどうかと思いましたが,結構植物が豊富で見応えがありました.」「いい風でした.」「野鳥,植物,サンショウウオ,シダと各方面にわたり勉強できました.」「なごやかに行動されたこと」「とても勉強になりました.」「植物・鳥類・両生類と内容の濃い観察会でした.」「キャンプ場で夜々に良く聞くトラツグミの鳴き声が分かった.」「いつも撮れないので良かった.」「天気予報は雨だったが降らずによかった.先生が多く参加されていて良かった.」「スキー場を登るのは少々疲れたが,多くの珍しい植物を見られ,広島県側とはまた違った植物を見ることができた.」「楽しい一日.山の中で(植物に)元気をもらいました.」「草花も鳥も教えて頂いて楽しかった.」「とても楽しい.次回も参加したいと思います.」「普段見られないものが見られておもしろかったです.」


駐車場横の植林地境での植生.
先生の説明を真剣に聞く.

サンヨウブシの群落.
コバンノキ.

スキー場の建物周辺でオオタカの羽 その他鳥の羽多数.
キツリフネの群落.

ホウチャクソウの実.
オヒョウの木.

ハンショウヅル.
ミヤマハハソ.枝先花が付くのが特徴.

ツルアジサイ.
ヤグルマソウ.

少しピンクがかったハルジオン.茎の中は空洞.
急斜面のゲレンデを登る.

ヤブデマリが花盛りでした.
サワグルミ.

山際にもゲレンデ内にも見られました.アカショウマ.
山頂付近のゲレンデ内にアカモノ発見.

藪こぎ終了.やれやれ.
頑張って藪こぎして畳山三角点に登頂しました.


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