西中国山地自然史研究会 観察会
霧ヶ谷湿原の植物と昆虫観察会

【案内文】
自然再生事業が進められている霧ヶ谷湿原で,植物と昆虫の観察をします.霧ヶ谷湿原の再生工事は,2007年から始まります.従って,再生前の湿原の姿を見られるのは,今年が最後になります.しっかりと色々なものを見ておけば,再生の様子が分かって楽しいと思いますよ.
開催日時:6月23日(土) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:基本セット,弁当,双眼鏡
講師:和田秀次,岩見潤治,白川勝信
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
前日の大雨がウソのようにすっきり晴れ渡り,子どもたちの参加も多く,賑やかにはじまりました.まず,ルート説明・湿原再生事業について簡単な説明が有り,講師の自己紹介の後,水口谷湿原の木道へと進みました.野外の観察会での注意点として「ハチ」「毒ヘビ」「かぶれの木」の三点を気をつけつように言われました.そして,カモガヤ・オニウシノケグサ・ハルガヤの牧草を教えてもらい,ここで「毒ヘビ」ヤマカガシの登場です.捕獲され,首筋を押さえての安全体制での説明.排泄口の説明・ウロコの事・口の中の構造等々.こんな機会はめったにないからと,触ったりもしました.体温・肌触りなどなかなか興味深かったです.そして,ハルゼミの声「モゲ~モゲ~」と鳴く声に耳を傾け,アカマツ・クロマツの樹液を吸うこと,市内では5月の連休頃から鳴き始め,芸北では7月の上旬まで聞くことができるそうです.ミヤコイバラが良い香りを放っていました.毒を持つカバキコマチグモの巣の解体など今日は怖い体験もいろいろです.湿原にはオレンジ色の羽をしたカワトンボの♂がたくさんいました.ナキイナゴの大合唱と音の出し方は,確かに後ろ足と羽をこすって音を出していました.ハンノキ林ではハンカイソウがわずかに開き掛けていました.ヒロシマサナエはカワトンボより少し明るいところを好み,すでに♀の姿が多く,産卵に来ているようです.スイカズラも咲き,今度はエゾハルゼミの「ミョギーミュギーケッケッケッケッケ」と鳴き声.落葉広葉樹の樹液を吸うので,ここでしか聞けないそうです.オオヘリカメムシが良いにおいがすると怖々かいでみたり,貴重な体験でした.霧ヶ谷湿原に向かう途中では,ヒメシジミをたくさん見かけました.八幡湿原自然再生事業のパンフレットを見ながら霧ヶ谷湿原の3年間工事後の未来図を想像しながら,今現在をしっかり目に焼き付け,西中国山地自然史研究会で事前に行っている実験地で植生変化の説明を受けて観察会を終了しました.自然館に帰ってから今日の感想はヤマカガシ・カメムシのにおい・バッタの鳴くところ・クモなど様々でした.[や]

【みなさんの印象に残った物】
「当地固有のヒロシマサナエに会えてよかった」「やはり植物」「ハルゼミ」「子供達がよくしっていたし,熱心だった」「ヒメクロサナエ」「ヒロシマサナエ,ヒメシジミ,アサギマダラ」「ヤマカガシをさわったこと」「くもの巣作り(繁殖)」「アオアシナガハナムグリが見られた事」「ヤマカガシ,虫」「カバキコマチグモの巣をのぞいたこと」「実験地」「ヘビをさわったこと」「ヤマカガシを身近にみられたこと(2)」「ヤマカガシの説明が楽しかった」「ヤマカガシの観察」「チョウやトンボがたくさんいたことに発見がありました」「いろいろなものを沢山見ました.特にヒメシジミの現物を初めて見ました」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「植物と昆虫両方楽しめた」「とても心に残った,すぐ答えが戻ってきたから」「ゆっくりとよくわかった」「いろいろな植物,生き物が短時間に身近に見られた」「もっと沢山来られたらよい」「大きいなめくじがおもしろかった」「お尋ねしたことを丁寧に詳しく教えて頂きました.ありがとうございました.」「とても楽しかったです.(2)」「この湿原にはたくさんの宝物がすんでいるんですね.」「たくさん虫が見られておもしろかった.虫の図鑑を買おうかなあと思いました.」「先生方の説明がたくさん聞けてよかったです.植物の緑が色濃くて気持ちよかったです.」「湿原再生が楽しみです.」「色々な虫や植物がみられておもしろかったです」「子供達の虫についてよく知ってておどろきました.」「まさかあんなに近くでウロコを見たのは初めてで,死ぬまで成長するとは!ウロコが重なっていない体とか,ヘビ観察きもちわるいだけでないね,すごい!」「植物ばかり見て来ましたが,はじめて参加してわかりやすい解説でとっても楽しく散策させていただきました.」「大変楽しい観察会でした.」


今日の講師の和田先生(植物)と岩見先生(昆虫).
今日の予定についての説明.

前日の大雨がウソのように,すっきり青空.
ヤマカガシの説明.

ミステリーサークル.前日の雨と風の仕業かな?動物の足跡はない.
イタチハギ.

かぶれの木「ヌルデ」です.注意!!
カバキコマチギモの産卵の巣.

カバキコマチグモの生態について詳しく説明を聞く.
今まさに巣作りの途中.

ヒロシマサナエの♀発見.
子ども達も真剣.

水口谷湿原の木道にて.
ツユムシの抜け殻.触角まできれいに抜けている.

スジモンヒトリガの幼虫.毛がふさふさ.
マムシグサの♂♀確認.

ニオイをかいでみたり….
イタヤハマキチョッキリ.背中が赤,腹が青のメタリックなゾウムシの仲間.飛ぶと派手.

先生も子ども達も「これは何かな?」と図鑑を引く.
ヒメシジミ.たくさん見られました.

さあ,これはなんて名前かな?
虫を片手に熱心に説明.聞く方も真剣.

参加者の質問に答える和田先生.
霧ヶ谷湿原の未来についてパンフレットを見ながら説明を受ける.

実験地の変遷について説明.
白川先生の説明をホワイトボードで追加説明する和田先生.


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