西中国山地自然史研究会 観察会
雲月山の植物観察会

【案内文】
秋の雲月山で草原の植物を観察します.「キキョウ,ナデシコ,オミナエシ〜♪」と「I love Uzutsuki」に歌われているように,山焼きをした秋の雲月山は,本当に様々な花が咲き乱れます.草原に立ち,風を感じるだけでも,気持の良い観察会ですよ!ぜひご参加ください.
開催日時:9月8日(土) 9:30
集合場所:雲月山駐車場
準備:基本セット,弁当
講師:佐久間智子・和田秀次
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
前日の雨がすっかり止み,秋晴れの観察会となりました.県境に近い駐車場に参加者33名が集合し,今回の講師,佐久間先生と和田先生からお話を聞きました.参加者の中には初めて雲月山に来られた方もあったようです.晴れ渡る空の下,一列になり観察しながらゆっくりと登ります.講師以外にも博識な方がたくさんおられて,興味深い話をたくさん聞きました.中でも印象的だったのは「山でうまいのはオケラにトトキ(ツリガネニンジン),里でうまいのはなす,かぼちゃ」という俚謡があると教えていただいたことです.オケラもツリガネニンジンも咲いており,食べられることがわかりびっくりしました.秋の七草もオミナエシ・ キキョウ・ハギ・オバナ(ススキ)・ナデシコと5種類登場しました.ススキなどの単子葉植物の根に寄生するオオナンバンギセル,他の植物からも栄養をとり自ら光合成もする半寄生植物のママコナやカナビキソウと,栄養の取り方に特長がある植物が目をひきました.また,出発前に佐久間先生から配られた地図を手にしながら歩くと,山焼きをしたところ,または全くしていないところ,島根県側と分けて見ると生えている植物たちが違うのがわかりました.全体的な印象としては,山焼きを始めてから草花が増えた,との声がありました.後半には牛も登場し,のんびりと草をはむ様子を見ると和みました.この牛たちは山の斜面に対して平行に歩くので,そのせいでくっきりと道がついていました.どんな植物でも食べるわけではなく,有毒成分を持つレンゲツツジやオキナグサなどは食べのこすそうです.和田先生はこの環境を「階段状植物群落の途中」だとお話しされました.最後に集合してまとめをし,今回の観察会で見た植物は50種類以上だということがわかりました.ススキの穂が風に揺れ,青空の下に秋の草花たちが咲き乱れる,楽しくて心地よい植物観察会となりました.[こ]

小宮さんに写真を提供していただきました.ありがとうございました.

【みなさんの印象に残った物】
「色々なこと教えて頂いて楽しかった.」「秋の草原に美しい花が大変多く見られたこと」「種類の多さと草原の緑.」「和田先生のだじゃれ(楽しかった)」「美しい自然の中でゆったり過ごせたことです.」「マルバハギ・キバナアキギリの花は虫がやってくるとおしべがでてくるという花の仕組みが分かったこと.」「オミナエシ・ツリガネニンジン・カワラナデシコ・ススキ.フシグロセンノウ.一番に選ぶのは大変.」「すばらしい秋でしした.」「さわやかな秋の風をうけながら最高の気分でした.」「オオナンバンギセルと出会えた.(3)」「昨年より花が色々おおくなった気がしました.」「秋の花の多いことです.焼いたあとにも沢山の植物が生えることに驚き.」「表の裏を見よ.何かある,でした.」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「楽しく勉強できました.地図があって良かった.」「のんびりときれいな空気を吸って歩けたのがよかったです.園芸種のオミナエシは知っていましたが,自然の中に咲くオミナエシはかわいらしく,とてもステキでした.」「遠くから見ると草原にしか見えない山も,40〜50の花が咲いていてとてもきれいだった.」「沢山見れて大変楽しかった.」「満足」「色々な花に出会いよかった.草原の景色をいつまでも残しておきたいものです.」「人数(参加者)が多かったこともあり,説明が聞けない部分が多々あった.」「山焼きをして小さな植物が増えて草原の景色がすばらしい.」「暑かったけど,とても風がきもちよかった.」「来年もよろしく.」「初めての参加でしたが自然とふれあえて良かった.」「花も人も一期一会.今日の花たちは最高です.」


毎年晴れる雲月山の観察会.今年も晴れた〜!!
佐久間先生お手製の,山焼きをした区域・してない区域がわかる地図をいただいた.

とても暑い日だったため水分補給もこまめに・・.
子ども達に大人気のゴマダラカミキリムシ.

ホクチアザミの葉裏は綿毛をかぶり白色なのが特長.めくってたしかめた.
こちらがホクチアザミの花.

最初の休憩.広々とした景色に疲れも癒され,みなさん笑顔!
ススキの上にとまるトンボを観察.

一列に連なり歩く.写真を撮ったり,花に近づき観察したりと楽しみ方はイロイロ.
秋を代表するススキ.秋風に気持ちよさそうに揺れていた.

地理学者の方から雲月山の地形と昔さかんだった“たたら”についての説明.
和田先生から,雲月の植物や地形,山焼きの様子など多岐に渡るお話を聞いた.

今も昔もかわらず,ねこじゃらしは子どもにかかるとおもちゃに変身.
この日は晴れ渡り遠く日本海の波が見えた.

何かを発見.みんなで集まって観察.
みなさんのお目当てはこれ.キュウシュウコゴメグサ.

登山道わきでススキが優しく迎えてくれる.
ごはんつぶが2つついているように見えるママコナ.

やっとお昼ご飯!思い思いの場所に座り「いただきまーす!」
まだ咲いていなかったセンブリ.

牛がいる雲月山の風景.気持ちがのんびりするのがわかった.
きれいな色のヤマジノホトトギス.

こちらもオレンジ色が目をひいたフシグロセンノウ.
わからない植物は図鑑をひいて答えてくれた佐久間先生.

最後のまとめ.出会った植物は50種類以上だったことに参加者みんなで驚いた.


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