西中国山地自然史研究会 観察会
霧ヶ谷湿原の植生調査

【案内文】
「水を流したら湿原は復元するのか?」八幡湿原自然再生事業にとって,このことは大きな命題です.今回の調査は,西中国山地自然史研究会が2002年から続けている配水実験の継続調査です.水を流すことで,乾燥した土地が徐々に湿原になってきていることが分かっています.今回は実験から4年目.さて,どのような結果が出るのでしょうか.はじめての方や,調査に興味がある方も,気軽にご参加ください.
開催日時:9月17日(月) 9:30
集合場所:高原の自然館
準備:作業セット,弁当
講師:
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
広島市内などでは豪雨の所もあったようですが,八幡高原では晴れ間も覗くお天気でした.今回の調査に集まったのは11人.4つの班に分かれて調査を行いました.各班3~5のプロットを調査したのですが,手際よく調査が進められ,お昼前には調査が終了しました.今年からは「ダンポール」という目印を立てておいたので,調査プロットを見つけやすくなったことも早かった要因だと思います.これについては,かなり前から指摘があったのですが,やっと方法が定着しました.これまでに参加したみなさん,手間をおかけしました.実験地の反対側では,薮が切り開かれ,自然再生工事が進んでいました.見晴らしが良くなった霧ヶ谷を見ると,なんだか感慨深いものがあります.こうして実験地の調査を続けてきたことが再生事業に繋がったことを思うと,これからも続けていかないといけないと改めて感じました.
自然館に戻り,調査のまとめをしました.初めて参加した方は,ほんのわずかの面積にたくさんの植物が生育していることや,調査の専門家の知識に驚かれていたようです.今回は現地で同定できなかった種はほんの数種だったので,午前中で解散しました.お昼ごはんを食べ終わるころには雨になり,今回もお天道様が味方してくれたんだな,と思いました.[し]
調査指導をし,写真を提供してくださった大竹さん,渡邉さん,佐久間さん,小宮さん,ありがとうございました.

【みなさんの印象に残った物】
「乾いた所も湿った所も植物の種類が以前より少なくなって来た」「No.14でトモエソウがたくさん実をつけていた.けっこう増えた気がする.」「イが多かったこと.」「楽しい調査です.」「湿地の様な所になりつつある感じがしました.」「中野さんが種も調査法もよく覚えてらした.」「一種もしくは数種の優占種のプロットだったこと.」「1m×1mの中にほんとうに何種類もの草花があることに感心致しました.」「「調査をし,変化をみとどけて,他の人に理解してもらう」この地道さが大切だと思いました.」

【参加したみなさんの感想】
「平素の生活に関係ない事をするのも面白い」「徐々に変化していく姿をおいかけるのはおもしろいですね.」「続けて来られる方が増えて頼もしい感じがします.」「毎年の変化が楽しみです.」「定期的に見られるのがおもしろい」「湿生の種や貴重種が出たりするといいですね.」「どうにか草花の名前が覚えられてうれしく思っています.」「よくみると1m×1mにたくさんの種があると思いました.ふだん広いところで目立つ花をみているので,こういう方にみてみるのもおもしろいとおもいました.」「小人数のコンビネーションで調査が進んでいくのがよかった.」「もの知りに感心しました.」「変化などを話しながらみんなと一緒に調査ができて楽しかったです.」


実験地と反対側にある,工事中の自然再生事業地を眺める.木が伐採されて,すっかり風景が変わった.
調査を始める前のレクチャー.

今回は4班に分かれて調査をした.
導水したプロットで,ヨシ,コバギボウシ,ヒメシロネなど,多様な湿地生植物が見られた.

このプロットではイが優占していた.
調査を終え,自然館の前でまとめをした.

八幡湿原自然再生事業は,公園整備でも河川改修でもなく,湿原を再生する工事.
氾濫原を再現するために,コンクリートの側壁が壊され,河川の構造が変えられていく.


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