西中国山地自然史研究会 観察会
越冬する樹木の姿

【案内文】
冬鳥の観察会に引き続き,厳しい冬を越す樹木の観察会です.どんな姿で冬に備え春を待っているのでしょうか.冬ならではの樹木の姿を観察します.こちらも寒さ対策万全でお越し下さいね.
開催日時:12月2日(日) 13:00
集合場所:高原の自然館
準備:基本セット,弁当,ルーペ
講師:斎藤隆登
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
午前中のバードウオッチングから,引き続き参加の方が多く,17名の観察会です.まず,先生が予め採取されたミヤマウメモドキとウメモドキの果実の枝を示され,ミヤマウメモドキは果柄が有り,ウメモドキは枝に密着したように実が付いている事を説明されました.よく分からない時は生えている環境,湿った所にあれば,ミヤマウメモドキでしょうと言われ,識別が難しい時はいろいろの事から判断しないといけないようです.そして,千町原・自然館周辺でよく見られるノイバラとミヤコイバラの果実を示されました.果実の下の茎に腺毛がないのがノイバラ,腺毛が有るのがミヤコイバラと,ルーペを使ったりしながら,どこかわからず「いや~難しい」とか「おぼえきれるかしら」などと,隣の人と話し合って観察しました.コナラは小さい芽がたくさん付いていて皮の重ね着,芽鱗(がりん)にくるまっている冬芽.コブシの花芽はふかふかの毛付きのコートのような芽鱗を付け,葉芽の方はそれに比べると毛のない皮で「付け根からぐるっとぱかっと芽鱗が取れる」そうです.その他ナナカマドの芽鱗痕と枝の延び方.ウツギの星状毛.アズキナシの冬芽はカマツカより,ふっくらしているとか,ツノハシバミの雄花,エゴノキの二段構えの大小二つの冬芽(予備はいらないと落ちる)リョウブの波打ったような枝振り,ミズキの赤い枝,サワフタギには毛があるなど,次々に観察していきました.サルナシは葉痕の上の中に冬芽が隠れているとか.タカノツメとコシアブラは維管束痕(いかんそくこん)が7つと11の違いとか.その他にもコバノガマズミやヌルデ・ヤマボウシ・ミズメ・ザイフリボクの話があり,やっぱり覚えきれないほど内容の濃い観察会でした.[や] 【みなさんの印象に残った物】 「ヤマボウシの枝」「冬芽にいろいろあることが分かった」「なるほど(初心者)」「冬芽や枝に毛があるなしで全然違う木である事がわかりました.」「木の葉を落とした樹木を見るのも楽しいものでした.」「ちょっとむずかしい」「キツネの様なツノハシバミ」「冬芽の美しさ」「エゴノキの冬芽が2段がまえになっていたこと 副芽?」「色々奥深く芽の美しい色」「冬芽の出方の違い」「枝ののびかた」「ツノハシバミの実」 【参加したみなさんの感想(抜粋)】 「枝の伸び方や冬芽から樹木のいろいろな戦略が分かっておもしろかったです.」「毛がついていたり,ハチマキをしていたり,いろいろ工夫して新しい命を守っているんだとよく分かりました.」「知れば知る程 奥行きはほど遠し.」「新しい事を沢山教えて頂いたがとっても有意義な事でした.」「とても寒かった.」「樹木は日頃よくわからないのですが,野鳥の観察をやってるので鳥の食生活と云うことで,わかるといいと思い参加しました.」「初めての冬芽観察会 良かった.ルーペを忘れたのが残念.」「樹木ごと いろんな冬芽があって冬を越していくのだなあと感じた.」「まだまだお勉強します.」「見方がいろいろあって楽しいなと思いました.」「越冬する樹木の(芽)がよくかんさつできた.」「花の時期とはちがったおもしろさでした.」「ていねいに教えていただいてありがとうございました.資料をたくさんもらって感動しました.」

今回はウメモドキとミヤマウメモドキの見分け方から話しがはじまった.
斎藤先生の観察会では恒例の,手作りの分厚い資料が配付される.

駐車場ではコナラを観察.
よーく観察すると,いろんなことが見えてくる.

綿毛をかぶって,暖かそうなコブシの冬芽.
斎藤先生手描きのスケッチを見ながら,カンボクを観察.

今回の観察会では,とにかくメモを取ることが重要.
予備の冬芽を持つ,エゴノキ.

先生の手元に,興味津々.
ヤマボウシの枝の出し方について説明する斎藤先生.

ヤマボウシは,5つの方向に枝を出す.


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