西中国山地自然史研究会 観察会
アニマルトラッキング

【案内文】
雪原を歩きながら,動物たちの足跡や食痕を見つけ,冬にはどんな動物がどのように活動しているのかを観察します.小さな昆虫が雪上にいたり,木の実が入ったフンがあったりし冬でも動物たちの姿を感じることができます.雪の上を歩ける格好でお越し下さいね.
開催日時:1月20日(日) 10:00
集合場所:高原の自然館
準備:基本セット,弁当,スノーシュー・歩くスキーなど
講師:上野吉雄
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
前日からの積雪で,雪のあるアニマルトラッキングができました.しかも朝から雪の降る中での観察会となり,なんとか八幡にたどり着いた人もあったのでは.20名で雪原へと出発しました.朝からの新雪で,新しくてくっきりとした足跡というのは難しかったのですが,ウサギは軟便と固い便の2種類のフンをして,軟便はもう一度食べることや,前足の丸い跡・後ろ足の長い跡がどのように付くのかを,実演しながらの説明がありました.その後もウサギの足跡は比較的たくさん見ることができました.エゾユズリハにはヤマドリの食痕があり,ネズミの足跡はくっきりと付いていておそらくツルウメモドキを食べに来たのかな?と推察しました.木上で採餌できる鳥は,雪が降っても留鳥でとどまることができるそうで,実際にカラ類やアカゲラ・ツグミ・ジョウビタキを観察できました.また,先生も今冬初めてというキレンジャク・ヒレンジャクの混群を見ることもできて感激でした.ツルウメモドキを食べたツグミのフンも確認でしきました.積雪で判別が難しかったのですが,おそらくテンと思われる足跡もたくさんありました.イタチの仲間は指が5本,イヌの仲間のキツネやタヌキは指が4本と説明してもらいました.クリの木にクリタマバチの虫こぶがあり,ヤママユガの繭も枯れ葉にくるまって残っていました.腹のバネで飛ぶ原始的な生物トビムシや,羽が2枚の昆虫ガガンボなども教えてもらってやっと見ることができました.雪の中にもたくさんの生物の痕跡を観察することができて,やっぱり楽しい観察会でした.[や]

【みなさんの印象に残った物】
「雪の上の足跡が,どこに行くのか,とてもついて行きたくなった.」「鳥と果実の共進化(?)のお話がとても興味深かったです.」「ヤドリギの実がおいしかったということです.」「動物の足跡や鳥の種類の見分け方などが少し分かりました」「ねずみのあしあと」「ヤドリギの実と触感」「キレンジャクの群(4)」「ネズミの足跡」「レンジャク キツツキなど留鳥」「キレンジャク・ヒレンジャク」「ノウサギの生態のお話」「ウサギ,テンの足跡」「寒い冬でも小動物の生き方等」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「楽しかったです.(3)」「方法を考えて,カメラや双眼鏡などしっかり備えて全てを記録できたらよかったと後悔しています.とても勉強になりました.」「自然の探索はやはり面白いですね」「雪のふる中を歩いて気持ちよかったです.」「雪が少ないようでしたが 足跡なども見ることができて楽しかったです.」「久しぶりの雪の観察会で楽しかったです.」「木鳥動物等々の変化をみた」「雪の中を歩きとても楽しかった」「冬でもよく観察すれば いろんな自然が楽しめると感激」「雪の中でも生物の生きている様子がわかった」「雪があって良かった」「雪が降って良かったです」「もう少し時間長く」


自然館の中で出発前のレクチャー.
マイナス1.5℃の世界に出発!

さっそくテンの足跡を見つけた.
鋭く切った切り口はうさぎの食痕.

常緑のエゾユズリハは,冬の重要な食料になる.
ヤマドリが囓ったあとが見られた.

千町原の扇谷を降りていく.
苅尾の山頂は遠くに霞んでいた.

ハンノキ林に続く足跡をたどると,またもや何かを見つけた.
ツグミのフンのようだ.

フンには,ツルウメモドキの実が入っていた.
ヤママユガのまゆ.夏に羽化するので,この時期のまゆはからっぽだ.

秋に草刈りをした場所を歩いて戻った.
自然館に戻って,今日観察した生き物を図鑑で確認した.

観察会終了後,雪と戯れる人たちも・・・.


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