西中国山地自然史研究会 観察会
スノートレッキング

【案内文】
雪の草原を歩きましょう.寒い中,みんなであるくとたくさんの発見があるかもしれません.あたたかい飲物などを持参し,ご参加下さい.
開催日時:2月17日(日) 10:00
集合場所:高原の自然館
準備:基本セット,弁当,スノーシュー・歩くスキーなど
講師:
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
ビュウビュウと風が吹き,大きな綿雪が舞っていました.普通に考えるととてもトレッキング日和とは言えない天気でしたが,参加者の皆さんは全く気にしていない様子です.自然館で全体の行程を確認した後,かんじき,スノーシュー,スキーなど,各々の装備を身につけて出発しました.
水分が多い雪がたくさん降っていたので,動物の足跡はほとんど見られませんが,東屋の柱にはたくさんのテンの足跡が見られましたし,ノウサギが食べたノイバラも見られました.扇谷の上ではウソが8羽で群を作って,鳴きながら飛んで行きました.水口谷ではルリビタキがすぐ近くまで寄ってきて,しっかりと姿を見せてくれました.水口谷から水が垰を超えて,霧ヶ谷に進んでいきました.雪の無い季節には薮になっているところも,雪が積もっているので楽に歩いていけます.地下水観測地点の目印に立てられているポールを見ると,雪の深さは120cmほどあることが分かりました.カンボクの枝にはメジロの巣が掛けられており,近くでじっくりと見ることができました.最近では,巣材にビニールテープなどが使われることもあるようですが,この巣はクモの糸などの天然素材で作られていました.小鳥の巣ひとつをとってみても,周りの環境がよく分かるんですね.ゆるやかに弧を描く導水路は,湿原の再生を予感させてくれました.春の観察を楽しみにしながら,霧ヶ谷を後にして,お昼過ぎには自然館にもどりました.[し]

【スノートレッキング俳句】

スノートレッキング恒例の俳句です.

雪山を歩きて探す春の音

大雪の千町原にウソ8羽

山野草雪の下で春を待つ

カンジキをはいて楽しい風吹やま

雪の中鳥の声聞きトレッキング

わた雪にやわらかな筋導水路

チッチッチ春のおとずれ知らせたね

メジロの巣ゆらゆらゆれてハンモック

冬山はあたたかくってつめたくて

大雪は八幡の自然の物語

【みなさんの印象に残った物】

「積雪120cmは自然の八幡で安心しました.」「動物,木,等々の自然さです.」「メジロの巣.」「寒い中でも木の芽や鳥たちが動いていて春が近づいているのが確かに感じられた.」「冬の厳しい中で生き物が一生懸命生きている.」「雪山ならではの所を,カンジキをつけて歩いたこと.」「前回と同様にかんじきを足につけ,思ったより歩きやすい.生まれて初めての体験でした.大朝の雪と芸北の雪の量の違い.」「ウソ8羽.」「雪の深さ.」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】

「日本の冬に来た思い.」「みんな生きている.」「たくさん雪がつもっていて楽しかったです.」「説明もわかりやすく,良かった.」「雪の中で雪と一体になると気持ちイ〜.」「私も楽しかったけど,まわりの風景も喜んでいた様に思います.」「66才のバーさん,いい運動でした.」「雪の中でも鳥はたくましく生活している.」「初めてのカンジキの便利さ.」「雪が多くて楽しかった.」


集合したときには,大きな雪がどんどん降っていた.
意を決して出発!

扇谷上からの景色.やっぱり雪が強い.
ノリウツギの花殻.雪が重そう.

東屋の柱には,テンが登った爪痕があった.
水口谷のミズキについたツキノワグマの爪痕を観察.

水が垰に向かう時には晴れ間も見られた.
ルリビタキはすぐ近くまで寄ってくる.

雪に押さえられたアカマツの枝.こうして盆栽のような枝振りになる.
メジロの巣を発見.ハンモックのようにぶら下がっていた.

クモの糸などで上手に巣材を編み込んでいる.最近はビニール紐などが使われていることもあるというが,この巣は健全.
溝に注意しながら歩く.

湿原再生のために掘られた補助導水路が,緩やかな弧を描く.
取水堰では順調に水が取られていた.

2mポールの上部60cmだけが見えた.積雪は120cmくらいだろうか.
道路づたいに自然館へと戻った.


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