西中国山地自然史研究会 観察会
龍頭山の野鳥観察会

【案内文】
山頂付近にブナ林が残る龍頭山で野鳥を観察します.今回は下の池付近で観察し,上へ移動します.カラ類やトラツグミ,ホオジロなどをゆっくりと歩きながら観察しましょう.他の生き物も見ることができるかもしれません.歩きやすいルートなのでお子さんにもおすすめの観察会です.
開催日時:6月15日(日) 6:00
集合場所:道の駅 豊平どんぐり村
準備:基本セット,双眼鏡,フィールドスコープ
講師:上野吉雄
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
早朝にもかかわらず,12名の参加者がどんぐり村駐車場に集合しました.早くも参加者同士で鳥情報がとびかっており,観察会への意気込みも伝わってきました.今日の講師は上野先生です.龍頭山登山道口付近まで車で移動し,近くの池から観察スタートです.水辺にいたカワガラスやツバメの姿を見たり,鳴き声を聞きました.車道沿いを少し歩くと,今度は電柱の上に巣をつくり,そこに出入りしているシジュウカラの姿を見ました.カラ類の姿や声はよく似ているので,胸の模様や鳴き声の特長を近くにいた人同士で確認したりしました.上野先生がヒガラの鳴き声を「シーチキン,シーチキン」と表現していたのがおもしろく.覚えやすいなあと感じました.もう少し進んでいくと,カワラヒワやキビタキ,トラツグミなど多くの種類の鳥声を聞くことができ,その鳥の生態や特長を上野先生が身振り手振り,時には鳴き声のモノマネを交えてお話くださいました.山道に入り一列になって歩きました.ここではキツツキの仲間であるアオゲラやコゲラの鳴き声が聞こえ,オオアカゲラがコツコツと木をつく音も聞こえました.上野先生によると,オオアカゲラは頭が赤いので「赤帽」,アカゲラは下腹部が赤いので「赤ふん」と言うそうです.これまたおもしろく覚える方法を聞くことができました.またこの付近でアカショウビンの声も近くで聞くことができ,それだけで早起きした甲斐があったねと参加者のみなさんと話しました.山道を下っているときに聞こえてきた「シシシシシ・・」という虫の鳴き声のような声にみんなで首をかしげていると,上野先生がが「ヤブサメという鳥の鳴き声です」と教えてくださいました.この鳴き声の正体は今まで虫だと思われており,ここ数年の研究でヤブサメだとわかったようです.この後もゆっくりと歩き,じっくりと鳥の姿を探したり,鳥のエサとなる植物の話を聞いたりしました.車を停めた場所まで戻り,簡単にまとめをして解散となりました.今回の観察会では10種の鳥声を聞き,10種の鳥を見ることができました.図鑑でしか知らなかった鳥たちと,実際の生息地で出会うことができたのは大きな喜びでした.またこの観察会に,書き込みの入ったマイ図鑑を持参していた小学生の参加者の姿を見て,大変頼もしく感じました.次回の観察会ではどんな鳥たちに出会えるか楽しみです.[こうのやよい]

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「いいものを出してくれてありがとう」「鳴き声だけでも満足しましたが,姿まで見れて大満足でした.とても充実した観察会でした.」「こんどもあればきてみたい」「身近に豊かな自然があることはすごいことだと思いました.」「上野先生の口笛は最高でした!!」「感動的な出会いができて良かったです.」「早起きしてよかったです.」


今日見ることのできる鳥はなんだろう?とお話を聞きながら,図鑑をひいてみる.
鳥がどんなところに生息しているのか,どんな大きさなのか,どんなものを食べているのか・・など参加者からの質問に答える上野先生.

奧に見えるのが龍頭山.
池まわりで観察開始. 遠くに見える鳥はなんだろう??

電柱の一番上にシジュカラが巣を作っていた.おもしろい場所に作るのだなぁと感心.
鳥ではなく・・林床の植物を観察.「よく見える〜!」

道沿いの植物も観察.「みてみてエイリアンみたい〜」という小学生の感想.その正体はウツボグサだった.
みんなで耳をすませ,鳥がいる方向を探る.

日本三鳴鳥のひとつだけあって,鳴き声が美しかったオオルリ.
樹上の鳥を観察.フィールドスコープを覗きたい・・でもムズカシイ!

虫音のようなヤブサメの鳴き声を聞いた.図鑑で見るととても小さい鳥だった.
「ツツピーツツピー」と鳴いていたシジュウカラ.胸元がたてに黒いのが特長.

早朝の山歩きはそれだけでも楽しいが,たくさんの鳥に出会えてとても満足した.
「あ,あの樹の上にいるー」という声で,参加者全員の視線は上に.

あっというまの観察会だった.参加者からも「今日は楽しかった!」という声があがった.


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