西中国山地自然史研究会 観察会
雲月山の植物観察会

【案内文】
4月12日に山焼きをした雲月山で植物の観察会をします。夏の雲月山はどんな表情をしているでしょうか?どんな花たちが迎えてくれるでしょうか?ゆっくりと登りながら、じっくり観察しましょう。山の上で食べるお弁当は格別ですよ。
開催日時:8月23日(土) 13:30
集合場所:雲月山駐車場
準備:基本セット
講師:佐久間智子,和田秀次
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
少し曇り気味の空のもと,33名のみなさんが雲月山の駐車場に集合しました.この観察会は,翌日に行われた“はらっぱ談議"の関連行事だったため,県外からの参加者も多く集まりました.今回の講師は,和田先生,佐久間先生です.最初に雲月山の地図を見ながら,毎年の山焼きの状況や今日のコースなどの説明がありました.また,佐久間先生の調査によると,雲月山に生息する植物の種類は330種ということで,参加者のみなさんはその種類の多さに驚いていました.お話のあと,空模様を心配しつつ出発しました.秋の七草のうち,雲月山には6種生息しているということで,ハギ・クズ・オミナエシ・キキョウ・ススキ・カワラナデシコを見ることができました.登山道を登りながら,目に入る草花の名前を聞いたり,匂いをかいだりしました.和田先生は,「きれいに咲いている花だけでなく,草原をつくる植物にも目を向けて欲しい」とお話しされ,トダシバやオオアブラススキの紹介もありました.休憩をしながら,ゆっくりと歩き,ひとつひとつの植物をじっくりと観察しました.昔は葉の裏の綿毛を火口(ほくち)にしていたというハバヤマボクチや,ススキに寄生し,葉緑素を持たないオオナンバンギセルなど,草原ならではの花も楽しみました.また,山焼きが行われていない島根県側のササの丈が高かったり,火入れが行われた場所には花が増えていることに驚いたりと,山焼きの効果も目の当たりにしました.地元の参加者もいたため,次回の山焼きについての話題もでてきていたようです.車道に出て,白色のママコナや,釣り鐘型の花が可愛らしいサイヨウシャジンなどを観察し,参加者同士で感想を話したり,情報交換をしながら,駐車場に戻りました.まとめ時に佐久間先生より「観察会開始前は,雲月山に生息する植物は330種だったのですが,今日でまた増えました.」という,とてもうれしい報告がありました.毎年楽しみな雲月山の植物観察会ですが,今年も新たな植物に出会え,観察できたことに感謝しつつ帰路につきました.[こうのやよい]

【みなさんの印象に残った物】
「ウツボグサ.アカモノ.オオナンバンキセル.ハギ.キキョウ.オミナエシ.」「オオナンバンキセル(5)」「多種の植物が確認できたこと.」「小さな野花がきれいだった.」「オオナンバンキセルを見つけたこと.」「草原の草花に多く出会えたこと.」「オミナエシ.ススキの穂の景色.」「みなさんゾウケイの深いことには参った.」「オオナンバンキセルともう咲いていたマツムシソウ.」「オニヤンマ」「牛のいる場所の様子(土がみえるくらいになっている様子)」「「オミナエシの黄色が鮮やかでした.」「暑くなかったので楽しく歩けた.」「花畑」「ハバヤマボクチ.覚えました.」「草原の草花」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「とても楽しかったです.」「涼しくて.一足早く秋を感じました.」「センブリ,キキョウ等の花がだいぶ増えている.」「もう少しテンポ良く歩いても良いのでは?」「初めて見ることができました.」「久しぶりの歩きで大変楽しく過ごせました.ありがとうございました.」「初めてでドキドキでしたがきて良かった.」「放牧に関心(良い意味でも悪い意味でも)を持つ方も多いので,放牧場や牛についての観察もこれからはおもしろいかも!」「植物の特徴について聞けたことが良かったです.(見分け方etc)」「色んな発見がありました.ありがとうございました.」「地元の者も少しは知識はあった方が良いと思い.」「秋風でしょうか.とても気持ちがよい一日でした.」「みんなたくさん草花の名前を知っている.」「草丈.草の色こんなにやれるものなんですね.」「牛の入っているところが随分変わりましたね.」「島根県側のササの丈が高くやはり山焼きの効果があるんだなと感じました.」「色々の花に出会えた.先生が多くおられたので.多く教えて頂けて良かった.」「涼しい天候で助かりました.」「涼しくて気持ち良かったです.」「草原というものには人間そのものをいやす力が,あると思います.それがこの雲月山の草原にも,満喫できるほどあると思います.それを支えている人々の努力はすばらしいと感じます.」


はらっぱーも一緒に参加.
配られた地図を参考に,山焼きをした場所を確認.今回は2005年と2006年に焼いたところをぐるりと回るコースだった.

山上憶良の歌を思い出すことから始まり・・最初に見つけたのはハギの花.よい匂いがした.
オミナエシの匂いをかいでみる.どんな匂いかな??

一列になって登り始める.風が少し冷たく感じた.
カシワの葉を見て,カシワモチのお話.芸北ではカシワモチにはサルトリイバラの葉が使用され「まき」と呼ばれお盆に食べる風習がある.

ハバヤマボクチの葉を裏返して見る.白くてざらっとした感触だった.
こちらも葉裏が白いホクチアザミ.この葉を餅に入れると黄色いお餅になり,ウラジロモチと呼ばれていると参加者から教えてもらった.

オミナエシのお花畑.
休憩時間になにやら楽しそうな・・.何ができあがるんでしょう??

できあがったのは・・ススキバッタでした.
「ここから火入れをする山が3つ見えるんですよ」とぐるりと周りを見渡してみる.深入山・雲月山,この日は見えなかったけれど三瓶山.

「おぉーい」と皆を呼び戻して発見した花を順番に観察.
ススキの近くにひっそりと咲いていたオオナンバンギセル.

牛たちの姿が見える.のどかな風景.
白色のママコナ.

この日も和田先生のギャグが炸裂.新作も聞かせていただきました.
センブリの一年生.花が付く二年目の葉との違いに驚いた.

最後のまとめ.参加者より牛の放牧や,草原の昆虫について質問があがった.


過去の活動記録を見る

2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002

トップページ利用案内イベント情報出版物自然史研究会
ニュースレターリンクサイトマップ

Copyright 2002-2011