西中国山地自然史研究会 観察会
ゴギの産卵観察会

【案内文】
サツキマスよりやや遅れて,ゴギが遡上し産卵を始めます.昨年はメスが産卵床を作る行動や産卵後の「舞の行動」を観察することができました.今回も産卵の様子がじっくりと見られるといいですね.
午後からは紅葉と冬芽の観察会を行います.花が咲いている時期では分からない植物の特長を,先生お手製の資料を見ながら詳しく観察しましょう.ルーペがあるとさらに細かいところまで観察できおもしろさが倍増になります.冷え込む事が予想されます.防寒をしっかりお願いします.
開催日時:11月1日(土) 9:30
集合場所:八幡高原センター
準備:基本セット,双眼鏡
講師:内藤順一,
定員数:30人
主催:西中国山地自然史研究会
協力:高原の自然館

【報告文】
昨夜の雨がすっかりあがり,暖かな観察会の朝となりました.八幡高原センターに11名の参加者が集まりました.今回の講師の内藤先生より,ゴギの生態についての詳しい説明から始まり,繁殖の様子がわかるビデオを見て現地での観察に備えました.ゴギは「日本海側の川の最上流域に生息するイワナ」といわれていますが,発見した場所がはっきりと特定されておらず,変異の経緯上でもイワナの分類は困難であることが資料や先生からのお話でわかりました.またゴギの地方名や,学名のお話,ヤマメやアマゴ,サツキマスのお話と多岐に渡り興味深い知識を得ることができました.産卵の様子も,先生が撮られたビデオをもとに,じっくりと解説していただき,現地での観察がますます楽しみになりました.はやる気持をおさえ,車に分乗して,現地へ向かいました.移動の途中では見頃を迎えている紅葉が秋を感じさせてくれました.昨年の観察会でゴギの姿を見ることのできたポイントでは,今回は見る事ができず,産卵床だけ確認できました.今朝内藤先生がペアを確認したというポイントでも,見ることができず,今日は姿をみるのはむずかしいかな,という話をしていたところ,別のポイントで先生が手招きをするので近寄ってみると,ゴギのペアがいました!メスが産卵床を掘り,オスはメスに近づこうとする別のオスを追い払っては,また近づき・・という行動をくりかえしていました.道路沿いからよく見える場所だったので,メスのおなかが婚姻色で赤いことや,大きさから2年目同士のペアだということ,産卵床の砂が掘られてガレが見えることなど,肉眼でも確認することが出来ました.産卵するにはもう少し時間がかかるだろう,とい先生が言われていたので,観察会中に産卵の様子を見ることはできませんでしたが,ゴギの産卵生態がとてもよくわかりました.例年に比べ,早い時期の観察でしたが,参加者全員でじっくりとゴギの姿,生息環境を目の当たりに見ることができ,楽しい観察会となりました.[こうのやよい]

【みなさんの印象に残った物】
「ペアリングになったゴギ」「ゴギのペアの姿(2)」「ゴギを見れたこと」「自然の営みに感動した.」「産卵前のゴギを見ることができたこと.」「ゴギのさんらんの所」「ゴギの産卵現場が見れた.」「おいかけっこをしていたところ.」

【参加したみなさんの感想(抜粋)】
「実際には見れないと思っていたが,最後に見れてよかった.」「自然を残すことは大切な事だと思った.」「事前の詳しい説明でよくわかった.」「初めて観察会に参加しましたが,とてもよかったです.」「ゴギのさんらんがなかなかみれなくてざんねんだった.」「ゴギが見られて良かった.」「どんなところに産卵床を作るのかが実際にみてよくわかった.」


最初に高原センターに集まり,資料を見ながら内藤先生のお話を聞く.
産卵については,ビデオを見ながら詳しく解説していただく.

最初のポイントに到着.ここにでは姿を見ることができなかった.
橋の下に作られた産卵床.ドロなどが払われて石が現れている.

次なるポイントへ移動.内藤先生が,そっと近づき確認.残念・・ここにもいなかった.
川を気にしつつ,景色も楽しむ参加者.

流れがあまり速くなく,水深も浅い場所がゴギの産卵床に適しているようだ.
やっとゴギの姿を見ることができた!警戒心が強い魚なので,観察はそろーり,そろーり.

奧がオスで,手前がメス.オスがメスに近づいたり,離れたりをずっと繰り返していた.
寄り添っているペア.産卵まではもう少し時間がかかりそうだ.

ゴギの方もギャラリーに慣れてきた??肉眼でも見えるけれど,双眼鏡を使ったら,体の模様などがはっきりと見えた.
ゴギの特長である,白い斑点が頭部まであるのがわかる,

時折メスが体をひるがえし,尾で産卵床を掘る.おなかに見える赤い色は,メスの婚姻色.
最後にまとめをして,解散.さきほどのゴギのカップルが無事産卵できることを祈って.


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