【報告文】
「週末は下り坂」という予報がはずれ,観察会の間は心地よい秋風が吹いていました.まずは八幡高原センターの中でサツキマスの分類学的な定義や独特の生活史について講義がありました.その後,スライドやビデオを見ながら実際の産卵行動について説明を聞きました.このスライドやビデオは内藤先生がご自分で試行錯誤しながら撮影されたもので,非常に美しい映像でした(高原の自然館では,編集したものを見ることができます).ダムや堰などの河川の環境がサツキマスの遡上を阻害するのはもちろん,海の埋め立てなどもサツキマスの生活の妨げになっているということでした.また,最近では聖湖(樽床ダム)に放流されたブラックバスによる捕食がサツキマスの個体数を減らしている可能性もあるそうです.樽床ダムのブラックバスについては,駆除の方法を考えておられるそうです.野外の観察では,両方のポイントでサツキマスが確認されました.ただし,産卵床はつくっておらず,近年の地球温暖化で,サツキマスの遡上時期が遅くなってきているのではないか,ということでした.サツキマスは見られたものの,今後の動態には注意が必要だな,という感想が残りました.[し] |